24:リデンプション

『24 -TWENTY FOUR-』も今年でシーズン7に突入という事で、昨年11月にアメリカで
放送された『24:リデンプション』が今月19日からDVDリリースになります。

『リデンプション』はシーズン6と7を結ぶ2時間のスペシャル放送です。シーズン6で
身も心もボロボロになってしまったジャック・バウアー(キーファー・サザーランド)が、
安息の地を求めてアフリカ・サンガラに隠れ住むも、結局そこでも内戦のゴタゴタに
巻き込まれて闘いに身を投じるハメになる、というお話。

ジャックは捜査活動中の不法勾留や(シリーズ名物の)過剰な拷問が上院で問題に
なったので、アメリカ本国から召喚命令が下っております。
確かにシーズン6もカーティス(ロジャー・クロス)を撃ち殺したり、身内を拷問したり、
ロシア総領事館に乗り込んだり、やりたい放題だったもんなぁ。まぁ、カーティスの件は
アサドとの遺恨絡みでいろいろあったわけですが、容赦なく射殺せんでも・・・ねぇ?

核弾頭も爆発したし、シーズン6はかなりムチャクチャな内容だったような・・・。
(アレはやっちゃいかんでしょ。相変わらず放射能汚染の描写はテキトーだし)

で、話を『リデンプション』に戻しますと、ジャックにその召喚状を持ってくる慇懃な
大使館員トラメル役が『アリー・myラブ』でビリーを演じたギル・ベロウズなんですが、
何か・・・ちょっと見ないうちに随分ルックスが変わったなぁ、と。果たしてあれは
役作りなのか、今のベロウズが素でああいう感じなのか。後者だったらちょっと
悲しいものがあります。

ジャックの友人ベントン役はロバート・カーライル。元特殊部隊員という設定の割には
ちょっと華奢な気もしますが、まぁ相変わらず幸薄そうな感じでいい味出してます。
実際、本編ではやっぱり不幸な展開に(以下略)。

・・・というわけで、今回のエピソードはジャックがいかにして己の罪と向き合い、
過去にオトシマエをつけるのかが重要なテーマになっています。まさにジャックの
「贖罪と救済(=Redemption)の旅」を描いたドラマというわけですな。ストーリー
後半のジャックの「決断」をお見逃しなく。

音楽はTVシリーズ版と同様ショーン・キャラリーが担当。相変わらずビートの効いた
アグレッシヴな音楽を鳴らしてくれます。ただ今回は舞台がアフリカという事で、
民族楽器の音をサンプリングしてスコアの随所で使ってます。なので、いつもとちょっと
違う感じ。TVシリーズの時よりも荒削りな感じの音楽が多いです。

あと、最近の戦争映画のスコアで定番になりつつある「祈りのような女性ヴォーカル」が、
ドラマティックなパートで時々聞こえてきます。『ブラックホーク・ダウン』(01)で言うところの
リサ・ジェラード的役割ですね。

決して『トロピック・サンダー 史上最低の作戦』(08)の音楽を思い浮かべてはいけません(笑)。
ま、歌っているのは『トロピック・サンダー』と同じリズベス・スコット女史なんですけどね・・・。
何はともあれ、シリーズのファンなら押さえておきたい一品でしょう。

ワタクシも楽しんでライナーノーツを書かせて頂きました。

サントラ盤はランブリング・レコーズから今月18日発売です。

『24:リデンプション』オリジナル・サウンドトラック
音楽:ショーン・キャラリー
品番:GNCE7046
定価:2,625円

   

ロックンローラ

東京から戻ってきてから、毎年恒例の花粉症の症状が出て来てしまいました。
どうもこの前の東京は花粉の飛散量が多かったらしく、花粉をたんまり
吸い込んで仙台に帰ってきてしまったらしいです。

これから拷問のような日々が続くのだなぁ、と思うとちょっとユーウツです。

ま、それはさておき、先日『ロックンローラ』(08)を観て参りました。

マドンナと結婚してすっかりダメになってしまったガイ・リッチー監督の復活作!
・・・として知られる同作ですが、何だか海外での前評判の割には、日本では
いつの間にか公開日が決まっていて、さしたる宣伝もないままガーデンシネマで
上映されていたような気がします。勿体ないなぁ。面白かったですよコレ。

お話の構成はいつもの通り。ロンドン不動産ビジネスの大金を巡って、マフィアの
ボス・レニー(トム・ウィルキンソン)とその腹心アーチー(マーク・ストロング)、
胡散臭いロシア人実業家(カレル・ローデン)とその会計士ステラ(タンディ・ニュー
トン)、街のチンピラ・ワンツー(ジェラルド・バトラー)とその仲間たち、そしてヤク
漬けのロックスター・ジョニー(トビー・ケベル)がてんやわんやの大騒ぎ(←死語)を
繰り広げるという感じ。

「何の接点もないキャラ同士が、やがて1つの事件で繋がっていくストーリー」、
「複雑にこんがらがったプロットを整理するクールなナレーション」、「ガチャガチャ
したカメラワーク」、「イカす音楽」。もう、やってる事はほとんど『ロック・ストック&以下略』
とか『スナッチ』(00)と全く同じ。

でも、これがいいんですな。だって、マドンナが主演ってだけでアレだった『スウェプト・
アウェイ』(02)とか、カバラ神秘主義にドップリ浸かってヤバ気な出来だった『リボ
ルバー』(05)とか、正直イマイチだったんだもん。「こんなガイ・リッチー映画は観たく
ない!」と誰もが思ったはず。

だから、こうして原点回帰してくれたのは素直に嬉しい。これなら次回作の『Sherlock
Holmes』(09)も期待していいような気がします。

キャストでは、ガキ大将がそのまま大人になったようなジェラルド・バトラーの演技が
なかなかいいですな。『P.S. アイラヴユー』(07)のやんちゃなダメ亭主が更にダメに
なった感じ(笑)。何か、この人が女性ファンに人気がある理由が分かった気がする。
こういうガキ大将っぽいところが母性本能をくすぐるんだろうな、きっと。

あと、マーク・ストロングは最近売れてますね。前日に観た『バビロン A.D.』(08)にも
出てましたよ。『ワールド・オブ・ライズ』(08)とか『リボルバー』にも出てましたしね。
確かにダンディーな感じでカッコいいよなぁ。「細身のアンディ・ガルシア」って感じかな。

サウンドトラックもナイスなコンピレーション。オープニングで派手に流れるBlack Strobeの
「I’m A Man」とか、ジョニーがクラブの用心棒をブチのめすシーンのThe Subwaysの「Rock &
Roll Queen」なんかはアッパーで最高。ワンツーとロシア人2人組のアクション・シーンの
The Hives「The Stomp」からThe Scientists「We Had Love」への流れなんて、映像との
見事なハマりっぷりに脱帽です。笑えるんだけどカッコイイというか。

特筆すべきは、若い頃のジョニーがThe Clashの「Bank Robber」を鏡の前で歌っていて
義父のレニーに折檻されるエピソードですかね。子供なのに選曲が実にシブイ(笑)。
こうしてみると、確かにジョニー・クイドこそ真のロックンローラですな。

未見の方は観ておいて損はないですぞ。

3月17日追記:『ロックンローラ』のサントラ盤は、Universal Musicからリリースになってます(輸入盤)。

    

東京出張

今日は映画『バビロン A.D.』の内覧試写で東京に来ております。

20世紀フォックスさんの試写室は何度も行った事があるのですが、
今日はいつもと違う行き方をしよう! ・・・と思ったところ、
南北線と三田線を乗り間違えてしまいました。我ながらおマヌー。

でも、試写の始まる15分前には何とか会場入り。
まぁ慣れない事はしない方がいいという好例ですな。

映画については、公開時期が近づいたら詳しく書かせて頂きます。
簡単に見所だけ紹介させて頂きますと、

1:K-1戦士ジェロム・レ・バンナとヴィン・ディーゼルのドツキ合い
2:特殊メイクを施したジェラール・ドパルデューの鼻(普段の1.5倍です)
3:シャーロット・ランプリングの女帝っぷり
4:RZAとシャヴォ・オダジアン(シスタム・オブ・ア・ダウン)のユニット
「Achozen」の挿入歌

・・・でしょうか。

え?全然本編と関係ないものばっかりじゃないかって?
ですからまぁ、詳しい事は後日改めてって事で・・・(出し惜しみ)。

ちなみに音楽は『バンテージ・ポイント』(08)のアトリ・オルヴァルッソンが
手掛けております。

そんなわけで、現在ライナーノーツ原稿をホテルにて鋭意制作中です。
ここのホテルはコーヒーが美味なので、部屋で仕事をすりゃいいのに
わざわざラウンジまで足を運んでしまうのです。

明日はレーベル関係の仕事をした後、恵比寿ガーデンシネマで
『ロックンローラ』(08)を観て仙台に帰ります。

   

Out of Noise

教授の新作『Out of Noise』を購入しました。

今回は「フルアートワーク盤」、「パッケージレス盤」、「アナログ盤」、「配信盤」の
4つのリリース形態だったわけですが、ワタクシは無難に「パッケージレス盤」を
チョイスしました。

学生の頃だったら迷うことなく「フルアートワーク盤」を選んだと思うのですが、
以前『Sweet Revenge』と『Smoochy』を初回限定盤で買ったら置き場所に困った、
という思い出があるので、今回はパッケージレス盤にしました。

それに、今月は幸宏さんの新譜『Page by Page』と再発盤でお金を使いそうだったので・・・。

さて本題の『Out of Noise』なんですが、うーん・・・ワタクシにはかなり難解かつ高尚な
感じでした。

commonsのメールマガジンや雑誌の記事などを読んで、大体こういう音楽になるだろう
とは思っていたのですが、想像以上に「ピアノ曲」(『BTTB』とか『トニー滝谷』みたいな
感じ)が少ないなぁ、と。その辺がちょっと意外な気もしました。

commonsmartのサイト内に教授本人の楽曲解説があるので、詳しくはそちらを
見て頂くとして、まぁ今回のアルバムは教授の音楽のコアなファン向きというか、
「家具の音楽(サティ)」、「ミュージック・コンクレート」、「アンビエント」、「ブライアン・イーノ」
というようなキーワードにピンと来た方向けの作品と言えるでしょう。

ワタクシは『音楽図鑑』を教授作品のベストに挙げている人間なので、あのような音楽は
もうやってくれないのかな、と思うと少々寂しくなったりします。

でもHASYMOのライヴで「Tibetan Dance」とか演ってるから、本人もああいうノリは今でも
嫌いじゃないとは思うんだよなぁ。あるいは今の教授の音楽嗜好でああいうサウンドを
やろうとすると、前回の『Chasm』みたいになるのでしょうか。

今回の『Out of Noise』、ワタクシは仕事中のBGMや就寝前のBGMとして楽しんでます。
このアルバムは論理的に「理解」して聴こうとすると(精神的に)相当疲れますが、肩肘
張らずにリラックスして聴くとあら不思議、ピアノ、弦、環境音といった音の層が心地よく
耳に入ってくるではありませんか。

そんなわけで、第一印象の難解さから解放されたワタクシは、現在このアルバムを
仕事場でリピートして聴いている毎日です。

    

クリスチャン at ECW

このブログに「WWE」のカテゴリを作ったのはいいものの、最近何だか
WWEのストーリー(特にRAW)が以前よりもつまらなくて、特に書きたいと
思う事がなくなってしまったのですが、いやー今日のECWは嬉しいものが
ありました。

「キャプテン・カリスマ」(CLBに非ず)クリスチャンがWWEに復帰ですよ!

ウチはFIGHTING TV サムライに加入していないので、スカパー!の
無料開放デーでしかTNAを観られなかったのですが、今度から毎週
またクリスチャンが観られるので嬉しい限り。

しかもECWで復帰というのが嬉しいじゃありませんか。最近のRAWは
ストーリーが辛気くさいから、どうせ復帰するならECWかSmackdown!が
いいなぁ・・・と思っていただけに、ナイス選択。

ワタクシのご贔屓のクリス・ジェリコとマット・ハーディーが、シリアスで
ヘビーでダークなヒール・キャラになってしまって凹んでいたのですが、
クリスチャンの復帰でまたモチベーションが上がりそうです。

クリスチャンといえば、映画『シューテム・アップ』(07)にチョイ役で出てましたが、
ありゃチョイ役というよりエキストラでしたな(セリフ無いし・・・)。
Jay Resoでクレジットされてるし、アレは言われなきゃ気付かないわ。