第81回アカデミー賞ノミネート作品(作曲賞について)

先日、今年のアカデミー賞のノミネート作品が発表されました。

まぁ、ワタクシもこういう仕事をしている関係上、ノミネート作品や受賞結果は
いろいろ気になるわけでございまして、特に最優秀作曲賞に関しては毎年
「誰が受賞するのかなぁ」と自分なりに予想を立ててみたりしています。

今年の作曲賞ノミネートは下記の通り。

アレクサンドル・デプラ / 『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
ジェームズ・ニュートン・ハワード / 『ディファイアンス』
ダニー・エルフマン / 『ミルク』
A.R. ラフマーン / 『スラムドッグ$ミリオネア』
トーマス・ニューマン / 『WALL・E / ウォーリー』

ううむ。これは予想が難しい。

デプラは『真珠の耳飾りの少女』(03)、『シリアナ』(05)のゴールデングローブ賞ノミネートを
経て『The Painted Veil』(06)で同賞受賞、『クィーン』(06)でアカデミー賞ノミネート、と最近
勢いづいているので、『ベンジャミン・バトン』で念願のオスカー初受賞という可能性も大。

ラフマーンは「『ムトゥ踊るマハラジャ』(95)の音楽の人」として有名ですが、最近は
クレイグ・アームストロングと共同で『エリザベス:ゴールデン・エイジ』(07)の音楽を
担当していたりします。アカデミー賞は非西洋圏の音楽を高く評価する傾向があるので、
その線から受賞という流れになるかもしれません。もしくは作曲賞ではなく歌曲賞の方で
受賞する可能性もあり。

JNHとニューマンは共に「無冠の帝王」といった様相を呈しておりますが、二人とも才能の
ある作曲家である事に疑いの余地はありません。ただ、『ディファイアンス』は思ったより
賞レースで話題にならなかった事、『WALL・E』はアニメ作品である事が「ノミネートまでは
アリだけど受賞はねぇ…」と判断される要因になりそうな気もします。

『ミルク』は先日試写で観て参りましたが、素晴らしい映画でした。エルフマンの音楽も
すごく流麗なスコアで、終盤の音楽は切なくて泣けました。音楽のクオリティは申し分ありません。
ただ、『ミルク』は実在のゲイの活動家を描いた作品なので、保守派の評価がどうなるかが
運命の分かれ道といった感じです(音楽の評価にはそれほど影響ないかもしれませんが)。

個人的には『WALL・E』と『ミルク』のサントラ盤の仕事をしたので、どちらかの作品に
受賞して貰いたいのですが、私情を挟まずに受賞結果を予想するなら、

本命:アレクサンドル・デプラ
対抗:A.R. ラフマーン
大穴:ダニー・エルフマン

…ではないかな、と思います(ハズレたら恥ずかしいなぁ)。

去年の予想(『つぐない』(07)のダリオ・マリアネッリ)は当たったんだけど。
皆様の予想はいかがでしょうか?

   

Joe Perry考案ホットソースの件

先日の100 Greatest Songs of the 80sの話の続きですが、
Joe Perry (Aerosmith)考案のホットソースが気になって仕方がなかったので、
ネットで調べてみました。

すると、Joe Perryのオフィシャルサイトに製品概要が載っているのを発見しました。

まずはボーンヤード・ブリュー味の説明文から。

Now his Boneyard Brew Hot Sauce will rattle your palette with its incredible flavor and taste.
3.75 Ounces of fresh habanero peppers, onions and garlic, tangy squeezed lime juice,
red bell peppers, chipotle peppers, and aged red wine vinegar; it’s hardly the same old song
and dance. Joe Perry’s Rock Your World TM Boneyard Brew has a mystical flavor that will
keep your taste buds rollin’ all night long!

原材料を見てみると、文字通り(スパイシーな)ホットソースのようです。
サルサソースみたいな感じでしょうか。

で、マンゴタンゴ味の方は

Includes 3.75 Ounces of fresh habanero peppers, tropical mangos, juicy peaches onions
and garlic, tangy squeezed lime juice, red bell peppers, and aged red wine vinegar.

…という事で、マンゴーとピーチが入っているぶん甘口になっているのではないかと。

ウェブサイトの「RECIPES」の項目をクリックすると、ファンが投稿したホットソースを
使った料理のレシピまで載っていました(ポークチョップの作り方とか)。

ちなみにペリー氏は先日の番組で「ステーキにかけるとおいしい」と言っていましたが。

今日の夕飯は何かホットソース系のものにしようと思った次第。

  

100 Greatest Songs of the 80s (40位から1位)

先週24日は「100 Greatest Songs of the 80s」の続きの放送がありました。
さすがに今回は上位という事で、誰もが知っている大物アーティストの有名曲が
ズラッと並んでいましたね。

37位はAerosmithの社会派ソング「Janie’s Got a Gun」。
Joe Perryが考案したというホットソースのお味が気になります。
「ボーンヤード・ブリュー味」と「マンゴタンゴ味」ってどんな味なのでしょう。

35位はPhil Collinsの「In the Air Tonight」。『マイアミ・バイス』のエピソードでも
使われた名曲です(劇場版ではNonpointがカヴァーしてました)。

一番笑ったのが、「洗面所の電気を消して曲名を3回言うと、フィルの顔が鏡に
浮かぶらしい」という、コメンテーターが語った当時流行した噂話。「幽霊かよ!」と。
ま、あの曲調であのPVですからね。

32位はNight Rangersのロックバラード「Sister Christian」。数年前、『グランド・セフト・
オート バイスシティ』で、この曲を聴きながらタクシーミッションに励んでいた日々を
思い出しました。まさにモータリング。

Guns N’ Rosesは「Welcome to the Jungle」(26位)、「Sweet Child O’ Mine」(7位)が
ランクイン。とりわけ後者はアクセル・ローズが当時の恋人に捧げた名曲なのですが、
結婚した翌年にDVでスピード離婚したのが最低。せっかくの美談を自分でブチ壊しました。

線画と実写を組み合わせたPVでおなじみA-HAの「Take on Me」は24位。
このタイトルは英語として意味を成していないらしく、アメリカ人ですら「Take on Me
Take Me on 意味が分からないなー」と言っておりました。
確かこのPVをパクったCMがあったと思うのですが、「メッコール」のCMでしたっけ?

Michael Jacksonは「Beat It」(21位)と「Billie Jean」(4位)でランクイン。この時期の
マイケルは良かった…(涙目)。コメンテーターが「80年代の彼を見ていない人は
本物の”スター”をまだ知らない」と言っていましたが、ワタクシは小学生当時リアル
タイムで最盛期のマイケルが見れたので幸せ者なのかもしれません。

14位はThe Banglesの「Walk Like an Egyptian」。「古代エジプト人はああいう踊りをする」
という認識が一気に広まってしまった罪作りな曲です。
でもSusanna Hoffsがカワイイので許す(笑)。本人がコメンテーターとして登場してましたが、
今もとってもお綺麗でした。

そしてワタクシのご贔屓Daryl Hall and John Oatesは「I Can’t Go For That」が6位に
ランクイン。「Private Eyes」ではなくこの曲が選ばれたのがミソ。
「黒人音楽のグルーヴを白人とイタリア人(スペイン人)のデュオが作り上げた」という事が
当時いかに革新的だったかを物語っているわけですな。名曲です。

気になるベスト3は、Duran Duranの「Hungry Like the Wolf」(3位)、Def Leppardの
「Pour Some Suger on Me」(2位)、Bon Joviの「Livin’ on a Prayer」(1位)でした。
ま、いつの時代もイケメンは強いという事ですな。

とはいえ、顔がいいアーティストでも下位に甘んじていたり、ランク外だったりしますので、
彼らは後世に残るようないい曲をちゃんと書ける人たちというわけです。

いやー、やっぱり80年代の音楽はいいものです。
皆さんのお気に入りはランクインしていたでしょうか?

   

100 Greatest Songs of the 80s (100位から41位)

今日はMTVで放送していた「100 Greatest Songs of the 80s」を見てました。
いわゆる1980年代洋楽ベスト100みたいな感じの番組です。

この番組は1/3に既に放送していたのですが、初回放送時は5時間ブッ続けのオンエア
だったので、途中で食事に出掛けたりフロに入ったりして見逃した部分が多かったのです。

今日は100位〜41位までのリピート放送があったので、ビデオ録画しつつ番組を見ていた
わけでございます。

ま、80年代の音楽というとワタクシが小学生当時リアルタイムで聴いていた曲も多々ある
わけですが、ここ数年AXNで見ている『マイアミ・バイス』とか、ゲームソフトの『グランド・
セフト・オート バイスシティ』の架空のラジオ局で何度も聴いたあの曲・この曲がこれでもかと
登場して参りました。これだけ一気に見せられると圧巻でございます。

で、この番組のもうひとつの見所は当時大ヒットを放ったミュージシャンの「現在の姿」を
レポートしてくれる事なんですな。少々イジワルな企画とも言えますが…。

例えば「Working for the Weekend」でおなじみLoverboyのマイク・レノやThe Fixxのサイ・
カーニンなどは、さすがに老けましたが今もステージで活躍中(サイは帽子デザインの
ビジネスをやっているとか)。Dead or Aliveのピート・バーンズは整形手術のしすぎで昔の
面影はゼロ(涙)。ありゃバケモノだわ…。

一発屋のA Flock of Seagullsは、マイク・スコアが「過去は封印したい」的な自己否定発言。
個人的には、ミュージシャンには自分の過去を葬り去るような発言はしてほしくないなぁ、と
思った次第。

その点、REO Speedwagonのケヴィン・クローニンのコメントは、名曲「Keep on Loving you」
への愛が感じられていい感じでした(すごく人のよさそうなオジサンになってましたし)。

個人的には、ジム・キャリーが『ディック・アンド・ジェーン』(05)でネタにしていたStyxの
「Mr. Roboto」(”♪ドモアリガト ミスターロボット”というアレです)の原曲を聴けたのが
ポイント高かったです。ああいうPVはあの時代にしか作れなかっただろうなぁ(笑)。

来週24日は、午後4時から40位〜1位までの放送がありますぞ。

  

アンダーカヴァー

昨日はホアキン・フェニックス主演の激シブ映画『アンダーカヴァー』(07)を観て参りました。

この作品、邦題がこんな感じなので、『インファナル・アフェア』(02)のようなハードな潜入捜査ものを
期待して観に行った人も多かったようです。でも実は屈折した家族の絆を描いたドラマなんですな。

ま、何しろ監督が『リトル・オデッサ』(94)と『裏切り者』(00)を撮ったジェームズ・グレイなので、
内容もまた推して知るべしというわけです。

ボビー・グルシンスキー(ホアキン・フェニックス)という男は警官の家系に生まれた次男坊なの
だけれども、家業に背を向けて、ナイトクラブのオーナーとして成功したヤクザな男。そんな彼が
クラブに出入りするロシアン・マフィアと警察の抗争に巻き込まれて、父親(ロバート・デュヴァル)や
兄のジョゼフ(マーク・ウォールバーグ)が襲われた事から、人生の岐路に立たされるというお話。

ホアキンはグレイ監督の前作『裏切り者』で、地下鉄修理会社を経営するジェームズ・カーンの
愛娘(シャーリーズ・セロン)と結婚して、「白人のように成功したい」と渇望するラテン系青年役で
鬼気迫る演技を見せていたわけですが、今回もいい芝居を見せてくれるのですよ。

父親や兄と不仲なはずなのに、心のどこかでは繋がっていたいと願っているような物腰とか、
エリート警察官の兄に対してずっとコンプレックスを感じて生きてきたんだろうな、と思わせる
翳りのある佇まいとか、セリフに頼らず表情だけで語ってしまうあたりはさすがだなと。

一方のマーク・ウォールバーグはと申しますと、序盤こそ『ディパーテッド』(06)の時のような血気
盛んなタフガイぶりを見せつけるものの、ロシアン・マフィアに襲われて以降、すっかり死の恐怖に
取り憑かれて覇気がなくなってしまうんですな。この時のウォールバーグの演技がやけにリアルで、
ホアキンが屈強になっていくのと対照的に、彼がどんどん「ヘタレ」になっていく様子はとても哀れ
でした(それだけ真に迫っているという事で)。そりゃ、一度あんな目に遭ったらトラウマになりますわな。

グレイの映画は『リトル・オデッサ』といい『裏切り者』といい、銃弾一発の重み(取りも直さず、
それは人の「死」の重みという事にもなるわけですが)が非常にヘヴィです。『リトル・オデッサ』を
ご覧になった方なら、エドワード・ファーロングが絶命したシーンはかなりショックだったのでは
ないかと思います。

そして本作でも、ガンファイト・シーンや豪雨の中のカーチェイス・シーンではカタルシスと無縁の
ドンヨリとした空気を醸し出しています。この映画を観た後では、とても「スタイリッシュなガン・アク
ション!」なんて形容詞は軽々と使えなくなります。「死の重み」がズシリと伝わる演出というか。

凡庸なリメイクに終わってしまった『ディパーテッド』よりも、ワタクシは本作の方が好きです。
この重暗い雰囲気とか、きれい事とか予定調和な終わり方で片付けない家族の絆の描き方とか。

ちなみに映画の舞台は1988年のNYという事で、ボビーのナイトクラブではブロンディーの”Heart of Glass”
とか”Rapture”、デヴィッド・ボウイの”Let’s Dance”(名曲!)のような当時のパワーポップスが
ガンガン流れます。こういう既製曲で80年代の狂乱を彩りつつ、ヴォイチェック・キラールの陰鬱な
スコアでグルシンスキー一家の悲劇を綴るという「明」と「暗」のコントラストが秀逸です。

サントラ盤も要チェック(クラッシュの”Magnificent 7″は未収録ですが)