1980年代が恋しくなって『パタリロ!』アニバーサリーBD-BOXと『マイアミ・バイス』コンプリートDVD-BOXを購入したお話

先月、東映チャンネルで『パタリロ!』(82~83)を放送していることに気づき、「懐かしいなぁ」と思いながら観ています。

ガステレビ
「どこがマーク・レスターだ このトンビのくちばし」
ニーゲム大戸木(人間モドキ)
「おい ちょっと耳を貸せ」「あとで返せよ」
「ご飯になさいますか? お風呂になさいますか?」→「先に風呂を食べて、あとでメシに入ろう」→「やっぱり檜は歯応えがあるなぁ(風呂桶を食う)」「う~ん、いいメシだ(ごはんの中に入る)」

…などなど、40年ぶりくらいに観た割には劇中のギャグやセリフを結構憶えていて、これは自分の記憶力もさることながら、あの斬新なギャグ漫画を子ども時代に見たという体験が、自分の脳内に強烈な印象を残したんだろうなと思ったりもしました。

確か『パタリロ!』は年下のイトコ(従妹)が漫画を読んでいて、仙台に帰省した時に「面白いから読んでみて」と勧められたのでした(当時の自分は東京に住んでました)。
自分の場合、原作漫画よりアニメにハマったタイプでした。
というのも、白石冬美さん、古川登志夫さん、永井一郎さん、古谷徹さん、塩沢兼人さん、戸田恵子さんなどガンダム声優の方々が大勢参加していたから。当時でも立派に主役を張れる声優さんが、名もなきタマネギ部隊の声をアテていて「すごい!」と子ども心に思ったものです。

40年前のギャグアニメですが、テンポのよさはいまでも充分通用する感じ。
いや、むしろ長ゼリフを早口で終始まくし立てる最近のギャグアニメよりも緩急がついていて、よりメリハリの利いたギャグ演出で観やすい(聴きやすい)とも言えるかもしれない。

そんな懐かしさも手伝って久々に『パタリロ!』にハマってしまい、勢い余ってアニバーサリーBD-BOXを買ってしまいました。

【アニメ化40周年記念】「パタリロ!」アニバーサリー・BD-BOX [Blu-ray] – amazon
【アニメ化40周年記念】「パタリロ!」アニバーサリー・BD-BOX – TOWER RECORDS

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最近買ったサントラ盤 『ロードハウス/孤独の街』30周年記念スコア盤と『ロビン・フッド』4枚組リマスター拡張盤

BANGER!!!で『リーサル・ウェポン』シリーズ(87~98)の音楽紹介コラムを書いたあたりからでしょうか、これまで持っていなかったマイケル・ケイメンのサントラ盤を遅ればせながら買い集めていくようになりました。

ケイメンは1948年生まれだから、ハワード・ショアやアラン・シルヴェストリと大体同じ世代。1997年に多発性硬化症を患い、2003年に心臓発作で亡くなりました。
最近思うのは、もしケイメンが大病を患わずに今もご存命だったら、ハリウッドの映画音楽業界(あるいは彼の扱い)はどうなっていただろうかということです。

ハンス・ジマー一派の寡占状態にならず、ケイメンにも仕事のオファーが定期的に舞い込んでいたのか。それとも80年代後半~90年代に比べると仕事の機会が激減してしまっていたのか。今の映画音楽界の状況を考えると、何となく後者になっていたかな…という気も致しますが(実際、『トゥームレイダー』(00)の音楽をボツにされていましたし)、それでもケイメンがアクション映画に登板する機会は与えられていたのではないかと思います。彼の早すぎた死が悔やまれます。

そんなわけで、今回買ったケイメンのサントラ盤はこちら。

1枚目:『ロードハウス/孤独の街』(89) 30周年記念盤

Road House-30th Anniversary Score Album – TOWER RECORDS

映画公開30周年の節目にLa-La Land Recordsから2019年にリリースされたスコア盤です。パトリック・スウェイジが酒場の用心棒を演じるアクション映画。

物語の性質上、劇伴よりも歌曲のほうが目立つ使われ方をしている作品であり、ケイメンの音楽もいささか地味目な印象。しかしながらジェフ・ヒーリーとシェイクスピアズ・シスターのマーセラ・レヴィがギターを弾いているのがポイント
ヒーリーは劇中で演奏を披露して歌曲をサウンドトラックに提供しただけでなく、ちゃんとスコアのレコーディングにも参加していたのでした。
マーセラ・レヴィはクラプトンと何度か仕事していたから(”Lay Down Sally”では共同作曲も)、その線からケイメンとも繋がりがあって本作のレコーディングに参加したのでしょう。

「オーケストラ+ブルージィなギター」というサウンドでも、『リーサル・ウェポン』に比べるとやや地味な(アンダースコアに徹した)音楽ではありますが、アクションシーンのオケの聴かせ方に「あ、ケイメンの音だな」という部分も多々あって、いぶし銀の味わいがあるスコアです。

アルバム収録時間70分のうち、映画本編で使われたケイメンの劇伴は36分。あとは34分はボーナストラック的に追加された別バージョンの劇伴となっていました。
別バージョンの劇伴は、映画で使用された劇伴とは全く異なるアレンジになっていて結構面白かったです。エレキギターがかき鳴らされる曲なんかもあったりして。

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『ホット・ファズ』の拡張版スコアアルバムを買ったので、UKソングコンピ盤と一緒にご紹介。

La-La Land Recordsから発売になった『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』(07)の拡張版スコアアルバムを買いました。デヴィッド・アーノルドのスコアをCD2枚に収録。Disc1は49分、Disc2は44分。

Hot Fuzz Original Motion Picture Score<限定盤> – TOWER RECORDS


これまで『ホット・ファズ』のアーノルドのスコアはソングコンピ盤でテーマ曲と23分の組曲でしか聴けなかったので、アーノルドの音楽が好きな自分には実にありがたいアイテムでした。

2022年にデジタルダウンロードで全6曲・39分のスコアアルバムが出ていたようですが、自分は全く気づきませんでした…。
Disc2の最後のほうに収録された”Album Suite”と注釈のついた楽曲は、おそらくこのデジタルアルバムに収録されたものと同じ内容でしょう。このデジタルアルバムも、39分のうち23分はソングコンピ盤に収録されていた組曲のようですね。

『ホット・ファズ』の頃のアーノルドは『フォー・ブラザーズ/狼たちの誓い』(05)や『007/カジノ・ロワイヤル』(06)のスコア作曲を担当していたので、この映画も派手なオーケストラにテクノ系のビートがガンガン鳴るタイプのスコアになっています。

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BANGER!!!で書いた『ミッション:インポッシブル』シリーズ音楽コラムの補足的なお話

先日、BANGER!!!で『ミッション:インポッシブル』シリーズの音楽に関するコラムを書きました。

『ミッション:インポッシブル』歴代テーマ曲全解説! 最新作『デッドレコニング』から元祖『スパイ大作戦』まで逸話&トリビア満載|BANGER!!!
https://www.banger.jp/movie/99743/

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(23)のサントラ盤の発売日は7月26日とアナウンスされていたので(その後発売日が延びました)、これは原稿の締め切りまでにサントラは手に入りそうにないなと思い、当初『デッドレコニング』は最後にチョロっと触れる程度にして、シリーズ6作の音楽をおさらいするような内容のコラムにする予定でした。

しかしデジタル版のサントラなら原稿締め切り前に入手出来そうだということが分かり、サントラCDを予約注文していたにもかかわらず、わざわざデジタル版サントラを買って
『デッドレコニング』の音楽紹介もざっくりと書くことにしたのでした。

ハッキリ言って余計な出費でした…。

しかし「サントラの音源を聴かずに推測で音楽コラムを書く」などという行為はあまりにも危険かつ無責任なので、そういうところはちゃんとしておかなければ…と自分で自分を納得させてデジタル版サントラを買いました。ちなみにサントラCDの予約をキャンセルするつもりもありません。ええ、両方買いますとも。

ミッション︓インポッシブル デッドレコニング 【輸入盤国内仕様】 – amazon
ミッション︓インポッシブル デッドレコニング 【輸入盤国内仕様】 – TOWER RECORDS
Mission: Impossible – Dead Reckoning Part One【輸入盤】 – TOWER RECORDS


Mission: Impossible – Dead Reckoning Part One (digital) – amazon

※2023年8月9日追記
予約注文していた『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』のサントラ盤が届きました。ジャケットがリバーシブル仕様です。

…というわけで、今回も字数の都合などでBANGER!!!のコラムに書けなかったネタを当方のブログで補完させて頂きます。

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『ザ・ファン』のサントラ盤にアルバム未収録曲を追加して拡張版サントラを自作した話

以前からやろうやろうと思っていながら、面倒くさくて先送りしていた『ザ・ファン』(96)の拡張版サントラ作りを実施しました。
最近ザ・シネマで放送していたし、サントラ盤を棚から取り出して久々にハンス・ジマーの19分のスコアメドレー”Sacrifice”を聴いたら、重厚で凝ったアレンジの力作スコアだったので、せっかくだからこの勢いでやってしまおうと思い立った次第です。

まずサントラ盤の収録曲はこんな感じ。


この時期TVT Soundtraxから発売されたサントラに顕著なのですが、劇中使用曲の中に未使用曲(インスパイアソング)を数曲忍ばせてます。そして権利関係の都合で入れられなかった歌曲がいろいろと。今回はそれを補完していきます。

その1:ギル・レナードの”幸せだった頃”を象徴するローリング・ストーンズの曲

劇中ではローリング・ストーンズの曲が効果的に使われていますが、ストーンズの曲は「仕事もプライベートもどん詰まりの窮地にいるギル(ロバート・デ・ニーロ)にとって数少ない心の拠り所」という重要な役割を果たしています。彼の幸せだった頃を象徴する曲なのかもしれません。
だから劇中でストーンズの曲が流れている時のギルはテンション高めでウッキウキ。ストーンズ世代ではない自分の息子や、誘拐したボビーの息子にストーンズの曲解説を一方的に聞かせるギルの姿が痛々しいです。

というわけで劇中で使われたストーンズの曲は以下の通り。

アルバム「Beggars Banquet」から”Sympathy for the Devil”

アルバム「Tattoo You」から”Start Me Up”

アルバム「Let It Bleed」から”Gimme Shelter”

アルバム「Some Girls」から”Shattered”

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