『バーバラと心の巨人』の音楽は、3つのテーマ曲でウサ耳少女の複雑な内面を描き出す。

ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、
『バーバラと心の巨人』(17)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きました。
音楽はフランスで活躍するローラン・ペレス・デル・マール。

サントラリスナーでもあまり聞いたことのない作曲家ではありますが、
スタジオジブリが製作した海外アニメ映画『レッドタートル ある島の物語』(16)の音楽を担当した人と言えば、
「あ-、あの人ね!」と思って頂ける…かもしれません。

『レッドタートル』は全編セリフなし、
映像と音楽・効果音で物語が進行する映画だったので、
かなり音楽が印象に残る作品だったわけですが、
今回の『バーバラと心の巨人』のスコアも、
『レッドタートル』の雰囲気に近いメロディアスなオーケストラ・スコアに仕上がっています。
時折挿入されるチェレスタやマリンバの音色も、
少女っぽさを感じさせてよいアクセントになっていると思います。

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『プーと大人になった僕』の音楽を手掛けたジェフ・ザネリへのインタビュー記事がuDiscoverMusicJPに載ってます。

ウォルト・ディズニー・ジャパン様からのご依頼で、
『プーと大人になった僕』(18)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きました。
音楽はジェフ・ザネリとジョン・ブライオン。

前回前々回でサントラ盤についてはほぼ語り尽くしてしまったのですが、
本日は『プーと大人になった僕』関連でお知らせです。

ワタクシがザネリさんにインタビューした記事が、
ユニバーサルミュージックの音楽キュレーションサイト「uDiscoverMusicJP」に載ってます。

ディズニー最新作 『プーと大人になった僕 オリジナル・サウンドトラック』ジェフ・ザネリのインタビューを公開
https://www.udiscovermusic.jp/columns/disney-pooh-and-boku-interview

 

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切なくてハートウォーミングな『プーと大人になった僕』の音楽は、ジェフ・ザネリとジョン・ブライオンの持ち味がよく出てますという話。

ウォルト・ディズニー・ジャパン様からのご依頼で、
『プーと大人になった僕』(18)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きました。
音楽はジェフ・ザネリとジョン・ブライオン。

前回のブログはサントラ盤発売のお知らせ的な内容だったので、
今回は音楽をもう少し詳しくご紹介していこうかなと思います。

サントラ盤はザネリとブライオンのスコアが22曲と、
シャーマン兄弟の弟リチャード・M・シャーマンの書き下ろしボーカル曲が3曲。
そして日本盤はボーナストラックを1曲追加収録した全26曲。

ボーナストラックといっても日本人アーティストが歌ったエンディングテーマとかではなくて、
劇中でプーさんたちが歌っていた”Goodbye Farewell”の日本語バージョン。
(歌っているのは日本語吹き替えを担当した声優さん方)
「映画の世界観を壊してしまう邦楽アーティストのエンディングテーマ曲」というよくあるアレではないのでご安心下さい。

それにしてもあのリチャード・M・シャーマンが3曲新曲を書き下ろして、
そのうち2曲で自ら歌っているというのは何気にスゴいことですよ。
だってこの方、今年で御年90歳なんですから。
映画のエンドクレジットでは元気に歌っている姿も見られるし、
ディズニー・レジェンドの味わい深い歌声を是非聴いて頂きたいですね。

 

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『プーと大人になった僕』日本版サウンドトラック・アルバムにライナーノーツを書かせて頂きました。

ウォルト・ディズニー・ジャパン様からのご依頼で、
『プーと大人になった僕』(18)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きました。
音楽はジェフ・ザネリとジョン・ブライオン。

…などとアッサリ書いてますが、
今回の仕事はものすごくキツかった。。
前回の『インクレディブル・ファミリー』(18)も”ハードなお仕事”とブログで書いてましたが、
『プーと大人になった僕』はそれ以上にキビしかったのでした。。

 

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『ブレス しあわせの呼吸』のニティン・ソーニーの音楽は、なぜこんなにもポジティブな雰囲気に満ち溢れているのかという話。

ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、
『ブレス しあわせの呼吸』(17)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きました。
音楽は音楽プロデューサー/DJ/マルチミュージシャンとして多方面で活躍するインド系イギリス人のニティン・ソーニー。

ソーニーのサントラ盤というと、
ワタクシ10年くらい前に『その名にちなんで』(06)のライナーノーツを書かせて頂いたことがありまして。

以前ライナーノーツを書かせて頂いた時の知識や経験が、
こうして新しい作品にきちんと活用できるというのは本当に有難いことです。

で、今回ライナーノーツを書くとなったら、
まずソーニーの情報もアップデートさせないといけないだろうと。
そしてブックレットを見たらアンディ・サーキス監督とソーニーのセルフ・ライナーノーツがあったので、
これも翻訳した方が読み手にとっては満足度の高い読み物になるのではないかと。
サーキスは日本でも人気が高いので、
正確な対訳をお届けするために、
学生時代の恩師に翻訳をお願いしました。

…というわけで、今回は「サーキスとソーニーのセルフ・ライナーノーツ全訳」+「当方の作曲家紹介&音楽解説」という構成になりました。

セルフ・ライナーノーツの翻訳に結構な文字数を割かないといけなくなったため、
ソーニーの略歴と『ブレス』の音楽解説を、いつもより少ない文字数で、いかに的確かつ効率的に執筆するかという難題に直面したのですが、
まあ自分としてはそこそこキレイにまとまったかなと思うので、
詳しくは是非サントラ盤の差し込み解説書をご覧頂きたい所存です。

したがってこのブログでは、ライナーノーツとは違う切り口から『ブレス』の音楽をご紹介したいなと思います。

 

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