マスタリング・エンジニアの葛巻氏も大絶賛(?)!『LOST』のDSDリマスター盤を検証するの巻

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昨年ランブリング・レコーズさんから発売になった「サウンドトラック傑作選50」シリーズですが、
「3枚買ったら1枚もらえる!」キャンペーンの応募締切が明日3月31日(当日消印有効)ということで、
まだ応募されてない方はお忘れなく!…というお知らせの意味も込めて、
本日こちらのネタを投稿させて頂きました。

さてこの「サウンドトラック傑作選50」の企画ですが、
映画以外にTVシリーズのサントラ盤もいくつかラインナップに入っておりまして、
先日このブログでも『プリズン・ブレイク』『24 -TWENTY FOUR-』について書かせて頂きました。

上記の2作品は基本的に全編シンセ・スコアでしたが、
今回改めてご紹介させて頂く『LOST』は違いました。
この時期(2000年代前半)のTVシリーズにしては珍しく、
全編フル・オーケストラによる音楽で構成されていたのでした。

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ロビン・ウィリアムズのラストのセリフに泣きました…。『ナイトミュージアム/エジプト王の秘密』

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諸般の事情で先にサントラ盤の話をしてしまいましたが、
先月そのサントラ盤の仕事で、
『ナイトミュージアム/エジプト王の秘密』(14)の試写に行ってきたのでした。

『ナイトミュージアム』シリーズは2006年の1作目を見た時、
ベン・スティラーやオーウェン・ウィルソン、スティーヴ・クーガンにロビン・ウィリアムズ…と、
悪ノリのアドリブも辞さない強力なコメディ俳優が勢揃いしているのに、
随分とギャグがおとなしくまとまっちゃってるなーという印象がありました。
例えて言うなら、悪ガキがよその家で妙におとなしい”よい子”になっちゃったような。

で、2009年の2作目はどうだったかというと、
キャストも監督もこなれてきて、
どの辺までフザけていいのかコツを掴んだのか、
ハンク・アザリアやジョナ・ヒルを巻き込んで1作目よりもハジケまくってくれまして、
これが結構面白かった。
ロダンの「考える人」とかジョナス・ブラザーズのネタとか、
くっっっだらないんだけど失笑してしまう。
あとは押しかけ女房みたいなキャラのアメリア・イアハートが最高でした。

そんなわけで『ナイトミュージアム』シリーズは1作目より2作目が好きなワタクシですが、
では今回の3作目はどうだったのかというと、これもなかなか面白かった。
(個人的にはエイミー・アダムスが好きなので2作目推しですが)

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やっぱりアラン・シルヴェストリのアドベンチャー音楽はイイ! 『ナイトミュージアム/エジプト王の秘密』のサントラ盤

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去年ランブリング・レコーズさんが「サウンドトラック傑作選50」でいろんなタイトルをリイシューしましたが、
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのトリロジー盤や『BTTF PART3』、
『G.I.ジョー』(09)に『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』(10)など、
アラン・シルヴェストリの作品が結構多めにラインナップされてましたねー。
頂いたサンプル盤をまとめて聴いていたら、
なかなか気分がアガって参りまして、
「やっぱりシルヴェストリの音楽はいいなぁ」と改めて実感した次第です。

オリジナル・サウンドトラック ナイトミュージアム/エジプト王の秘密(TOWER RECORDS)

今でこそ「映画音楽界の鳴らし屋=ブライアン・タイラー」みたいな認識になってますが、
80年代とか90年代前半の鳴らし屋といえばシルヴェストリだった気がします。
『BTTF』はもちろん『プレデター』シリーズ(87,90)とか、
『ジャッジメント・ナイト』(93)、『ブローン・アウェイ/復讐の序曲』(94)、
『ジャッジ・ドレッド』(95)に『イレイザー』(96)など挙げたらキリがありません。
サントラにあまり詳しくなくても、
映画好きなら若い頃に1度や2度はシルヴェストリの音楽に心躍らせた経験があるのではないかと。

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『プリズン・ブレイク』DSDリマスター盤でラミン・ジャワディ・サウンドの原点を振り返るの巻

prison break

ラミン・ジャワディ作品の宣伝強化月間継続中!ということで、
『パーソン・オブ・インタレスト』(11~)、
『アイアンマン』(08)に続いて、
先頃DSDリマスター盤が発売になった、
『プリズン・ブレイク』(05~09)のサントラ盤について書かせて頂こうと思います
今回リイシューされたのは、
シーズン1と2の音楽を合計31曲・63分ほど収録したサントラ盤です。

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遅ればせながら祝DSDリマスター盤発売! 『アイアンマン』はストーリーも音楽も1作目が一番好きですの巻

iron man

先週『パーソン・オブ・インタレスト』のサントラ盤のことを書いたので、
今月はラミン・ジャワディ強化月間ということにして、
彼の作品についていくつか書かせて頂きたいと思います。

今回はもうブログタイトルそのまんまなんですけど、
ワタクシ『アイアンマン』シリーズは2008年の1作目が一番好きなのであります。
前も書きましたが2作目はエピソードをいろいろ詰め込みすぎてドラマが浅いし、
何よりミッキー・ロークの扱いがヒドすぎる(特に後半)。
3作目は中国市場を露骨に意識した内容が気になって何だか話に乗っていけない。
その点1作目は、ストーリーが(いい意味で)シンプルで、
キャラクターの行動や性格づけがブレていないのが素晴らしい。

『ダークナイト』3部作のブルース・ウェインや、
『パーソン・オブ・インタレスト』のハロルド・フィンチの系譜に連なる、
「豊富な資金を悪との戦いに注ぎ込む大富豪」というトニー・スタークのキャラはやはり清々しい。
トニーとオバディア・ステインの関係を、
モーツァルトとサリエリに見立てた脚本もいいですね。
オバディアがサリエリのピアノ協奏曲(ラルゲット)を弾くシーンがあるので、
まぁ恐らくそういう解釈で合っていると思いますが。

で、音楽ネタついでにオリジナル・スコアの話になるわけですが、
『アイアンマン』シリーズは1作目がラミン・ジャワディ、
2作目がジョン・ファブロー監督のお気に入りのジョン・デブニー、
監督がシェーン・ブラックに代わった3作目が、
『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(13)のブライアン・タイラーと、
続編が作られる度に作曲家が交代しましたが、
やっぱりいま聴いてもジャワディさんの1作目の音楽がベストではないかと確信しております。

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