『スティーブ・ジョブズ』と『アンブロークン パス・トゥ・リデンプション』の輸入盤国内仕様サントラに音楽解説を書いてます。

前回のブログでお知らせしたランブリング・レコーズさんのBack Lot Music旧作サントラ15タイトル国内仕様リリース企画。
2月も5タイトルが発売になります。
その中の2タイトルでワタクシが音楽解説を書かせて頂いているので簡単にご紹介します。

その1:『スティーブ・ジョブズ』(15)

いまやすっかり売れっ子&大物映画音楽家となったダニエル・ペンバートンの佳作、『スティーブ・ジョブズ』のサントラ盤。
ペンバートンのスコアに加えてボブ・ディランの「雨の日の女」と「嵐からの隠れ場所」、ザ・リバティーンズの「Don’t Look Back Into the Sun」、ザ・マッカビーズの「Grew Up At Midnight」を収録。

映画本編の3幕構成に倣ってペンバートンが凝ったスコアを作曲しているのですが、本人がセルフライナーノーツで詳しく説明していたので、テキストをほぼ全訳しました。
“ほぼ”というのは、全訳すると文字数が完全にオーバーしてしまうので無理だったから。
まえがきとあとがきにあたる部分を泣く泣く削って、音楽について語っているところを全て翻訳した感じです。

文字数を出来る限り削りつつ、ペンバートンのスコアに関して重要な情報は正確に翻訳できるように、今回は学生時代の恩師にお願いして彼のライナーノーツを訳してもらいました。

第1幕、第2幕、第3幕でそれぞれタイプの異なる音楽を書くという凝った手法をとったにもかかわらず、サントラ盤には時系列バラバラでスコアが収録されているんですよね…。映画で使われた順序で曲を収録すればよかったのにな、とも思いましたが。

ちなみに当方調べですと、

第1幕の曲:トラック 2, 3, 4, 6, 7, 13, 14, 16
第2幕の曲:トラック 1, 5, 8, 9, 10, 11, 12
第3幕の曲:トラック 7, 15, 17, 18, 19, 20, 21

…という感じかと(トラック7は本編で2回使ってたと思う)。

『スティーブ・ジョブズ』オリジナル・サウンドトラック(輸入盤国内仕様)
amazon
TOWER RECORDS

音楽:ダニエル・ペンバートン
輸入・販売元:Rambling RECORDS Inc.
品番:RBCP-7454
価格:2,200円(税込)
発売日:2022年02月23日

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『オブリビオン』と『ラビング 愛という名前のふたり』のサントラ盤(輸入盤国内仕様)に音楽解説を書いてます。

ランブリング・レコーズさんは、以前Back Lot Musicからリリースされた旧作サントラを国内仕様でまとめて数十タイトルリイシューしましたが、今回も3ヶ月に分けて15タイトルを再販することになったそうです。

そんなわけで、15タイトル中5タイトルの音楽解説をワタクシが書かせて頂くことになりました。
今回はひとまず1月26日に発売になったタイトルをご紹介します。

その1:『オブリビオン』(13)

ワタクシが担当することになった5タイトルのうち、依頼が来て一番嬉しかったのがこちらの作品。
…というのも『オブリビオン』の劇場公開当時、サントラ盤の音楽解説の依頼が来た時に備えていろいろリサーチしていたのですが、結局日本盤が発売されなかったのでリサーチが無駄に終わってしまった(とその時は思っていた)んですね…。

しかし8年の時を経て、こうして当時の努力が報われる形になったと。
M83の「オーケストラ+エレクトロ・シューゲイザー」な音楽も好きだったし、大変やり甲斐のあるお仕事でした。
ちなみにブックレットにジョセフ・コシンスキー監督のセルフ・ライナーノーツが載っていたので、今回は全訳致しました。
通常より原稿の文字数が少なめのご依頼だったので、セルフライナーの全訳に文字数を割きつつ、作曲家(M83のアンソニー・ゴンザレスと共同作曲のジョセフ・トラパニーズ)の略歴を紹介して、音楽の聴きどころもざっくりご説明する感じになりました。
文字数も何とか指定の範囲でギリギリ収まりました。
メロディックで高揚感のあるよい音楽なので、この機会に是非聴いて頂きたいと思います。

『オブリビオン』オリジナル・サウンドトラック(輸入盤国内仕様)
amazon
TOWER RECORDS

音楽:M83
輸入・販売元:Rambling RECORDS Inc.
品番:RBCP-7448
価格:2,200円(税込)
発売日:2022年01月26日

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『ギャング・オブ・アメリカ』のBANGER!!!コラムのこと。そしてサウンドトラックアルバムのこと。

先日、BANGER!!!で『ギャング・オブ・アメリカ』(21)の見どころポイントと音楽の紹介記事を書きました。

「殺人組織」を率いた伝説の男!『ギャング・オブ・アメリカ』ハーヴェイ・カイテル82歳の含蓄あふれる名演に慄く
https://www.banger.jp/movie/72445/

普段ならば映画の紹介と音楽の解説は4:6くらいの割合で書くのですが、ワタクシはハーヴェイ・カイテルが大好きなので、今回は個人的な推しのカイテル出演作の話が多めになりました。

学生の頃、「ハーヴェイ・カイテルの出演作にハズレなし」と信じて疑わなかったワタクシは、いろんな映画を観まくったものです。
WOWOWやスターチャンネルの放送作品はもちろん、
ビデオレンタルで観た『バッドデイズ』(97)、
今はなき仙台のシネアートで上映された『スモーク』(95)、
わざわざ恵比寿ガーデンシネマまで観に行った『真夏の出来事』(96)、
大学時代の恩師と物語の解釈を議論した『ルル・オン・ザ・ブリッジ』(98)、
AXNミステリー(だったかな?)で放送されたテレビシリーズ『ニューヨーク1973/LIFE ON MARS』(08)など、どれも思い出深い作品です。

そんなカイテルおじさまも御年82歳。
主演作が日本で劇場公開になるというのはとても貴重なことだし、これを逃したらBANGER!!!でカイテル出演作のコラムを書く機会も訪れないだろうと思い、当方の”カイテリスト”としての矜恃を前面に出して原稿を書かせて頂いた次第です。

カイテルの演技の真骨頂といえば、あの「ファッファッファッ」という独特かつ気風のいい”笑い”と、『レザボア・ドッグス』(91)のラストや『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』(92)で見せた、見ているこちらまで苦しくなってくる”魂の泣き(嗚咽)”の演技。『ギャング・オブ・アメリカ』はその二つが観られるというのが素晴らしいのです。

そんなわけで今度は音楽のお話。

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【聴いたら最期】 映画『ヒッチャー』のサントラ盤が30年ぶりの再発売&たぶん初の日本盤リリースになります。

ランブリング・レコーズ様のご依頼で、映画『ヒッチャー』(86)の日本版サントラ盤に音楽解説を書かせて頂きました。
音楽担当は『リバー・ランズ・スルー・イット』(92)のマーク・アイシャム。

『ヒッチャー』のサントラ盤は1991年にSilva Screen Recordsから発売になって以来ずっと廃盤だったのですが、リリースから30年という節目にジャケット画像やブックレットの内容をリニューアルして、めでたくリイシューとなりました。

収録曲は同じですが、コアなサントラリスナーの間で「これ曲タイトル逆じゃね?」という指摘があった12曲目と13曲目のタイトルが修正されてます。
新装リイシュー盤では12曲目が”Guards And Cards”、13曲目が”Endgame”に修正されています。
…といいつつ、12曲目は映画本編だと曲タイトルで示唆されているシーンではなく別なシーン(ジョン・ライダーがハルジーを乗せたパトカーの警官をおもむろに射殺するシーン)で使われているのですが。

ちなみに『ヒッチャー』の音楽については、ニューマスター版が日本公開になった時、ブログで結構長々と書かせて頂きました。

【聴いたら最期】『ヒッチャー』のシンセスコアは時代の先を行くサウンドだったと思う
https://www.marigold-mu.net/blog/archives/10876

しかし差込解説書に音楽解説を書くとなると、もっとしっかりした内容を書かなければいけないだろうということで、一生懸命原稿を書かせて頂きました。

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BANGER!!!で書いた『アイス・ロード』音楽紹介コラムの補足的なお話

先日、BANGER!!!で映画『アイス・ロード』(21)の音楽紹介コラムを書きました。

トラック野郎リーアム・ニーソン出陣!『アイス・ロード』 長距離ドライバーの矜恃をカントリー音楽と熱い劇伴で描く
https://www.banger.jp/movie/67677/ #BANGER

書くべきことはほぼ書けたかなとは思うのですが、製品情報などについてもう少し補足しておいたほうがいい気がしたので、当方のブログにて書かせて頂きます。

BANGER!!!のコラムの中でも書いたとおり、こちらの映画のサントラは「ソングコンピアルバム」と「スコアアルバム」の2種類がリリースされています。

まずコンピアルバムですが、映画本編で使われた曲が6曲と、映画で未使用の発売元レーベルの”推し”アーティストの曲が6曲という、いわゆる”Music from and inspired by”のアルバムとなっています。
で、ダウンロード版は12曲なのですが、CDアルバムだと1曲少ない11曲になっています。

とはいえ映画で未使用の曲が1曲入っていないだけなので、amazonでアルバムを購入するならば、DL版より値段が安いCDで買ったほうがお買い得ではないかと思います

ちなみに「映画本編で使われた曲が6曲」と書きましたが、ゲイリー・レボックスの「We Got Fight」と、アリソン・ムーラー&マーク・コリーの「All Coming Down」はエンドクレジットで流れるので、劇中で流れる歌曲は4曲ということになります。

そしてお次はスコアアルバム。
音楽担当のマックス・アルジは『クロール 凶暴領域』(19)の人ですね。
リモート・コントロール・プロダクションズで修行した作曲家さんですが、最近になってRCPから独立したっぽいです。


今回は『クロール』の時のようにローン・バルフが音楽プロデューサーとして名を連ねていないのも、そういうことなのではないかなと。

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