『ゴースト・オブ・マーズ』のサントラを爆音で聴く日

ghosts of mars

先日、twitterで『ザ・ウォード/監禁病棟』(11)公式アカウントの中の人に

「28日は『ゴースト・オブ・マーズ』(01)のサントラを爆音で聴いてお見送り致しますッ!」
・・・とツイートの流れでお約束したので、実行に移させて頂きます。

ジョン・カーペンター先生が、大好きな西部劇&ゴアシーン満載の武闘派ホラーを火星を舞台に撮ってしまったという怪作。火星列車がモロに模型に見えるとか、悪霊に取り憑かれた人間がなぜかマリリン・マンソン風(クラウザーさんでも可)の見た目だとか、「殺生、100万人」というキャッチコピーの割にバトルシーンがモッサリしてるとか(安易にワイヤーアクションに走らないのはある意味硬派)、サブキャラが呆気なく死んでしまうとか(カーペンター映画ではいつもの事)、どう見てもB級映画なのですが、これもまた味というやつで、カーペンター先生にしか作る事の出来ない唯一無二の泥臭くもイカす世界観を作り上げています。

ま、アメリカでは公開2週目で上映打ち切りになったみたいですけど・・・。

ひとつ難点を挙げるならば、アイス・キューブの役はジェリコ役のジェイソン・ステイサムが演じた方が良かったのではないかと思う。まぁ当時はまだ『トランスポーター』(02)でブレイクする前だったから、アイス・キューブの方が格上だったのだと思いますが、彼の最後のキザな決めゼリフはステイサムでもビシッとキマったはず。

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The Adjustment Bureau

the adjustment bureau

先日『アジャストメント』(11)のDVDを借りて観たのですが、何か予告編から受けた印象と映画本編の内容が全然違ってた気がする。

予告編は劇中の映像をうまく編集してSFアクションみたいな内容に見せてますが、実際は何だかユルい雰囲気の映画だった。

ハット・スクワッド風の「調整局員」が、世界の秩序を保つために人間の未来を秘密裏に「調整」する・・・というあらすじを聞いた時には、僕の好きな映画『ダークシティ』(98)みたいなSFスリラー的な話なんだろうなーと思ったのですが、どっちかというとSFラブストーリーですねぇ、これは。

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ワイルド・スピードMEGA MAX(音楽について)

fast five_score

『ワイルド・スピードMEGA MAX』(11)の音楽を手掛けたのは、ジャスティン・リン監督の”ダチ”とでも言うべき作曲家のブライアン・タイラー。このシリーズには『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』(06)、『ワイルド・スピードMAX』(09)に続いての登板。

例によってスケール感のあるオーケストラにロック楽器(ギターとかドラム)をミックスしたド派手なスコアを聞かせてくれているのですが、今回はブラジル音楽の要素を大胆に導入しているのがポイント。ドラムスとパーカッションを聞かせたノリのいいサウンドがなかなか新鮮。

打楽器をふんだんに使ったスコア、というと真っ先に思い出されるのがジョン・パウエルではないかと思うのですが、ノリ的には彼の『ナイト&デイ』(10)とか『ミニミニ大作戦』(03)あたりの音楽に近い。本作のタイラーの場合、それに加えてロック、ヒップホップ、エレクトロニカなどの音楽もガンガン取り入れてます。「ロック感覚で聴けるオリジナル・スコア」という感じで、一見さんにも敷居の低いスコア・アルバムに仕上がってます。映画を見たら、「ああ、そういやあの場面の曲ノリノリだったなー」みたいな感じで、スコア盤が欲しくなるようなサウンドではないかと思います。

私事で恐縮ですが、今年の夏はライナー原稿を書き終えてからもこのサントラを聴きまくりました。何度聴いても飽きないんだ、これが。

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ワイルド・スピードMEGA MAX(映画について)

fast five comp

先月上旬に内覧試写に行ってきたのですが、これがめっぽう面白かった。

シリーズ5作目で、しかも上映時間が2時間10分と聞いた時には「こりゃいろいろ詰め込みすぎてダレるのでは?」と思いましたが、ドラマの見せ方やアクションの演出が巧いので、長さを全く感じさせませんでした。「シリーズ最高傑作」の売り文句はダテじゃない。

今回はこれまでの『ワイルド・スピード』シリーズに登場したドミニク&ブライアンの仲間たちがほぼ全員登場するのですが、役割分担が的確かつキャラ設定がしっかりしているので、「この人要らなくない?」というキャラが一人もいないのが素晴らしい。

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『マイ・ボディガード』のサントラにアルバム未収録曲を自前で補完してみたお話。

自分は以前『マイ・ボディガード』(04)の国内盤サントラに音楽解説を書かせて頂きました。もう時間(というか”年月”ですね…)が経ってしまったので廃盤&在庫切れですが、デジタル版では容易に手に入ります。

Man On Fire (Original Motion Picture Soundtrack) – amazon music

こちらはハリー・グレッグソン=ウィリアムズの劇伴を収録したスコアアルバムなので、本編で使われた既存の楽曲は未収録です。したがって完全版サントラ作りたければ劇中でどんな既製曲が使われたか自分で調べて、自前で補完しなければなりません。

とりあえず「このあたりの曲は押さえておきたい」という有名どころの曲をざっとご紹介したいと思います。

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