アメリア 永遠の翼(映画について)

この映画、当初は20世紀フォックス配給と聞いていたのですが、いつの間にかショウゲートさん配給に変わってました。

で、先月マスコミ試写に行ってみたら、場所は20世紀フォックス試写室。このあたりの流れがよく分かりませんが、まあ映画がめでたく日本公開になったので、自分はそれだけで十分です。

『アメリア 永遠の翼』は、世界恐慌時代のアメリカで女性として初の大西洋横断飛行を達成したパイロット、アメリア・イヤハートの伝記映画です。タイトルロールを演じるのはヒラリー・スワンク。プレス資料とか映画の中でアメリア本人の顔を確認出来ますが、二人とも顔つきが似てるんだ、これが。ちなみにスワンクは髪型や歩き方、話し方をアメリア本人そっくりに似せただけでなく、飛行機の操縦訓練まで受けて撮影に臨んだとか。

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クロッシング -Brooklyn’s Finest- (音楽について)

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というわけで、前回のつづきで『クロッシング』に関するあれやこれやを。
今日はサントラ盤の発売も近いので音楽について。

アントワン・フークア作品の音楽と言えば、

『リプレイスメント・キラー』(98):ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
『ワイルド・チェイス』(00):マーク・マンシーナ
『トレーニング デイ』(01):マーク・マンシーナ
『ティアーズ・オブ・ザ・サン』(03):ハンス・ジマー
『キング・アーサー』(04):ハンス・ジマー
『ザ・シューター/極大射程』(07):マーク・マンシーナ

・・・と、実に分かり易い作曲家の選び方をしています。この感じで行けば、今回の『クロッシング』もマンシーナか、あるいは他のRC系コンポーザーに落ち着くだろうと予想するわけですが、実際に白羽の矢が立ったのは『グッド・シェパード』(06)、『闇の列車、光の旅』(09)のマーセロ・ザーヴォスという意外な人選。「え?マンシーナじゃないの?」と、まずここで驚く。

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クロッシング -Brooklyn’s Finest- (映画について)

アントワン・フークアの新作という事で、アメリカ公開時から楽しみにしていた本作。メジャースタジオ作品ではないので、日本ではどこが配給してくれるのかなーと思っていたら、プレシディオさんがやってくれました。素晴らしい。

自分はサントラの仕事絡みで9月に試写を見てきたので、ざっと見所というかネタバレしない程度に感想など書かせて頂きます。

物語の主人公は3人の刑事。それぞれが何かしらの問題を抱えていて、ひとつの事件をきっかけに3人の運命が交錯するという構成。その3人の刑事のエピソードはこんな感じ。

エディ(リチャード・ギア):
退職まであと1週間のベテラン制服警官。「波風立てず、よけいな事には首を突っ込まない」をモットーに職務を淡々とこなしているため、新人警官や上司から「腰抜け」とか「無能」呼ばわりされる始末。私生活では妻と別居。しかも熱を上げている娼婦とも「お得意様」以上の関係になれない何とも情けない状態。「俺の人生って一体何なんだ?」と思った時、彼の取った行動とは・・・?

サル(イーサン・ホーク)
信心深く家族思いの麻薬捜査官。ハウスダスト(?)で体調不良気味の身重の妻と子供たちのため、新居の購入を約束。ところが安月給で頭金の工面すらままならず、「どうせ悪党の汚れた金なんだから・・・」と、捜査中に目にしたドラッグディーラーの金を横領しようと考える。警官としてのモラルをギリギリの所で保っている彼が最終的に下した決断とは・・・?

タンゴ(ドン・チードル)
潜入捜査官。ブルックリンのギャング・キャズの組織に潜入中。長期の囮捜査で心身共に疲れ果て、上司に操作から外してくれと説得するも全く聞き入れられず。挙げ句の果てには「キャズを囮捜査で逮捕したら昇進させてやる」と提案される。キャズは悪党だが、タンゴが潜入捜査中に心を通わせた”ダチ”で、しかも命の恩人。果たしてタンゴは昇進のためにキャズを売るのか、それとも仁義を貫くのか・・・?

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The Men Who Stare At Goats

The Men Who Stare at Goats

それにしても『ヤギと男と男と壁と』とは、某お笑い芸人もケッタイな邦題をつけてくれたもんです。タイトルを聞いただけでは何が何だかよく分からないし、そもそも言いにくいったらありゃしない。原作本の邦題と英語タイトルの直訳を合わせて『実録!アメリカ超能力部隊:ヤギを見つめる男たち』みたいな感じでよかったと思うのですが。

吹替えとか宣伝部長とか日本語タイトルの命名とか、そろそろお笑い芸人を洋画に干渉させるのはやめて頂きたいなぁ。

ま、それはさておき。映画本編の方はなかなか面白かったです。前半は超能力部隊発足の過程を描くオフビートなコメディ、後半は超能力を間違った方向に利用しようとした米軍及び事実を隠蔽するアメリカの社会風刺ドラマという感じ。題材的には相当ヘンなお話ながら、殊更おバカ映画に仕立てなかったのがよかったかな、と。

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LOST: Season 5の音楽

LOST_season5

「見ている人は見ているけど、そうでない人は全く見ていない」

『LOST』の人気の度合いをひとことで表すと、何かこんな感じのような気がする。「1シーズン終わっても肝心の謎が全く解明されない」という構成は、全ての物事において「過程」よりも「答え」を真っ先に知りたがる若い世代にはキツイものがあるのでしょう。シーズン1から話がずっと続いているので、過去のシーズンをスキップして「途中参加」出来ない作りになっているのも敷居を高くしている要因かな。

メディアが喜んで取り上げそうな「小ぎれいなイケメン」がいないのも影響しているかもしれない。島に飛行機が墜落した人たちの話ですから、小ぎれいな身なりのわけがないんですが。イケメンがいないから見ない、という姿勢もどうかと思いますけど(ソーヤーとかカッコイイと思うんだけどな・・・ダメですか?)。

てっとり早く一般ウケを狙うなら、『24 -TWENTY FOUR-』みたいにお笑い芸人の中から「LOST芸人」みたいな人が出てくれば話題になるのかもしれませんが、ジャック・バウアーのマネをする芸人はいても、ジャック・シェパードのマネをする芸人は皆無。ま、このドラマは扱うテーマが重いので、お笑いネタには不向きではあるのですが。もっとも、『LOST』のファン(筆者含む)はそんな薄っぺらい方法でドラマが話題になっても嬉しくないだろうから、結局今ぐらいの人気がちょうどいいのかな、と思ったりもします。

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