LOST: Season 5の音楽

LOST_season5

「見ている人は見ているけど、そうでない人は全く見ていない」

『LOST』の人気の度合いをひとことで表すと、何かこんな感じのような気がする。「1シーズン終わっても肝心の謎が全く解明されない」という構成は、全ての物事において「過程」よりも「答え」を真っ先に知りたがる若い世代にはキツイものがあるのでしょう。シーズン1から話がずっと続いているので、過去のシーズンをスキップして「途中参加」出来ない作りになっているのも敷居を高くしている要因かな。

メディアが喜んで取り上げそうな「小ぎれいなイケメン」がいないのも影響しているかもしれない。島に飛行機が墜落した人たちの話ですから、小ぎれいな身なりのわけがないんですが。イケメンがいないから見ない、という姿勢もどうかと思いますけど(ソーヤーとかカッコイイと思うんだけどな・・・ダメですか?)。

てっとり早く一般ウケを狙うなら、『24 -TWENTY FOUR-』みたいにお笑い芸人の中から「LOST芸人」みたいな人が出てくれば話題になるのかもしれませんが、ジャック・バウアーのマネをする芸人はいても、ジャック・シェパードのマネをする芸人は皆無。ま、このドラマは扱うテーマが重いので、お笑いネタには不向きではあるのですが。もっとも、『LOST』のファン(筆者含む)はそんな薄っぺらい方法でドラマが話題になっても嬉しくないだろうから、結局今ぐらいの人気がちょうどいいのかな、と思ったりもします。

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『プリズナー No.6』 (2009)を観てみたよの巻

the prisoner

『ニューヨーク1973 / LIFE ON MARS』が終わってしまったので、
AXNミステリーで放送スタートしたリメイク版『プリズナー No.6』を観ています。

僕はオリジナル版を観た事がないので(話のあらすじはwebなどで拾い読みした事はありますが)、
リメイクとの比較は出来ません。
スーパードラマTVで放送中のオリジナル版を観ればいいのですが、
ま、リメイク版全6話を観終わってからの方がいいかなと思ってます。

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『ニューヨーク1973 / LIFE ON MARS』のかわいい婦警さん

多分オリジナルのUK版『LIFE ON MARS』が好きな人には評判が悪いんだろうけど、
自分はアメリカのリメイク版『ニューヨーク1973 LIFE ON MARS』が好きで、毎週欠か
さず初回放送を観ております。

だって、あのハーヴェイ・カイテルが鬼警部補ジーン・ハント役でレギュラー出演して
るんだから、こりゃ観るしかないわな。相変わらずコテコテの演技で笑わせてくれるし。

横柄で濃い顔のレイ(『グッドフェローズ』(90)でスパイダー役を演じたマイケル・イン
ペリオリ)、気の弱そうなクリス(ジョナサン・マーフィー)、時折見せる切ない表情が
不条理な出来事に直面した男の悲哀を見事に物語っている主人公サム・タイラー
役のジェイソン・オマラなど、キャラもキャスティングも絶品。ヤクザと紙一重のNY
市警のデカを活き活きと演じてます。2008年と1973年という時代のギャップを
ネタにしたトークも面白い。

「ケータイが要るんだ! (I need my cell!)」
「何を売るって? (You need to sell what)」

なーんてベタなジョークもサラリと決まって最高。やっぱりタイムトラベルものは
未来より過去の方が面白い。

そんな僕の一番のお気に入りは、アニー・ノリス役のグレッチェン・モルなんだなぁ。

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LOST:Season 4の音楽

シーズン4の製作時期は、例のアメリカ脚本家組合のストライキがあったため、1シーズンの
話数が14話に短縮されるという事態に陥ったそうなのですが、これがプラスに働く事もあったり
するので、世の中何があるか分かりません。

「シーズン6でドラマを完結させる」とプロデューサーが決断した事から、どうやら話をムダに
先延ばしをする必要がなくなったようですな。シーズン3の最終話で登場した「フラッシュ
フォワード」を積極的に活用し、島を脱出した生存者の「未来の姿」を描き、恐らく今まで
ネタを温存していたであろう島の秘密も惜しげもなくバンバン露出させ、ドラマ展開が断然
スピーディーになりました。ゴチャゴチャしていた人間関係も割と整理されてきたし、何となく
薄れかけていた『LOST』熱が、自分の中で蘇ってきたシーズンでございました。

今回はジアッキノのスコアもかなりイイ感じです。「『LOST』のスコアは音だけ聴いてもあん
まり面白いタイプの音楽じゃないよねー」という声をよく聞くのですが、いやいやそんな事は
ありませんって。特に今回はメロディアスな楽曲が比較的多かったため、個人的にはファー
スト・シーズンに勝るとも劣らない名盤ではないかと思ったぐらいで。

ドラマ系スコアでは、何と言っても第77話「定数」のクライマックスで流れる”The Constant”が
出色。デズモンドとペニーの一途な愛を美しく彩る名曲です。ちなみにジアッキノはこの曲で
エミー賞にノミネートされました。

あと、今回のアルバムでは”Lost Away — Or is It”や”Nadia on Your Life”など、サイードの
テーマの哀愁のメロディーが結構目立った使われ方をしています。そういえばシーズン4は
彼も結構目立った活躍をしていましたねー。

しかし、やはり特筆すべきはシーズン最終話”There’s No Plece Like Home”(「オーシャニック
6」、「基地オーキッド」、「帰還」の3話)のスコアでしょう。銃撃戦あり、爆弾解体サスペンスあり、
貨物船からの脱出劇あり、帰還を果たす感動のドラマあり・・・と、ジアッキノのスコアもドラマを
盛り上げまくり。ジャックたちが島から生還するシーンのスコア”Landing Party”は、シーズン1の
“Parting Words”に匹敵する美しさ。やっぱりこのドラマの音楽はすごい。

・・・というわけで、シーズン4のサントラ盤はランブリング・レコーズさんから8/26発売です。
ファンなら買いの逸品。フルオケ音楽の深い味わいをご堪能下さい。

『LOST Season 4』オリジナル・サウンドトラック
音楽:マイケル・ジアッキノ
品番:GNCE7062
定価:2,625円