GAMER(音楽について)

gamer

・・・というわけで、長くなってしまった前回の続き。『GAMER』(09)の音楽について。

スコアを作曲したのは、ジェフ・ザネリとロバート・ウィリアムソンの二人。ザネリは『ヒットマン』(07)とか『ディスタービア』(07)の音楽を担当しているリモート・コントロール・プロダクションズ所属の作曲家。ウィリアムソンは『ミッドナイト・ミートトレイン』(08)のスコアを手掛けた作曲家。

さてこの映画のサントラ。何だかネットの掲示板とかを見ていたらすこぶる評判が悪くて、「買って失敗だった」とか「買わなきゃよかった」みたいなコメントがいくつかありました。普通、そういう書き込みを見たらそのサントラを買わないもんですが、僕は「そんなにヒドいのか?」とあえてサントラを購入した物好きです。もっとも、ちょうどタワレコのポイントが貯まっていたので、それを使ってリスクを軽減させましたが。

で、聴いてみた感想ですが、「まぁこんなもんでしょ」という感じ。
ことさら聴いてて腹は立ちませんでした。

続きを読む

UNKNOWN / アンノウン(音楽について)

unknown

『アンノウン』(11)の音楽を担当したのはジョン・オットマン。
本作のジャウム・コレット=セラ監督とは、
「パリス・ヒルトンが惨殺されるホラー」として有名な『蝋人形の館』(05)と、
極悪少女の正体が強烈な傑作ホラー『エスター』(09)に続く3度目のコラボレーション。

続きを読む

BELOW / ビロウ

below

『ピッチブラック』(00)などでコアなファンの多いデヴィッド・トゥーヒー監督・脚本、そしてダーレン・アロノフスキーが脚本(原案)・製作を手掛けた2002年作品。第二次大戦中のアメリカ海軍潜水艦内を舞台にした密室スリラー映画。

公開当時はあまりヒットしたという話は聞きませんでしたが、ザ・シネマで放送していたのを久々に見たら、結構面白かった。

「潜水艦に女を乗せるのは不吉」というジンクスを上手く利用したオリヴィア・ウィリアムズのキャラの使い方とか、潜水艦という逃げ場のない場所でジワジワと精神を蝕まれていく乗組員の描写とか、事件の真相の見せ方(『羅生門』風と言えなくもない?)とか、クセ者脚本家ふたりの持ち味がよく出てるんじゃないかと。

映画の中盤で「俺たちは独軍艦なんか沈めてないんだ。沈められたのは実は俺たちの方なのさ」なんて観客のオチ予測を先読みしたかのようなセリフを乗組員に言わせちゃうあたりも、ひねくれ者(多分)のトゥーヒーらしい脚本だなーと思ったり。

続きを読む

The Saint

the saint_score

地震のニュースとか東電の会見ばかり見ていると、ストレスが溜まって精神衛生上とてもよくないので、気分転換にザ・シネマで放送中の『セイント』(97)を久々に見てみました。近年すっかりでっぷりして顔がデカくなってしまったヴァル・キルマーが、まだギリギリ二枚目役を演じられた頃の映画。

内容はまぁ可もなく不可もなく、ソツなくまとまったハーレクイン風ロマンティック・アクション映画といったところでしょうか。エマ・ラッセル博士役のエリザベス・シューが最高にカワイイので、つい最後まで見てしまいましたが。

続きを読む

PANDORUM

pandorum

「ポール・W・S・アンダーソン=『バイオハザード』シリーズの監督」として知られていますが、個人的には『イベント・ホライゾン』(97)こそアンダーソン監督のベスト作品ではないかと思っています。

そんなわけで、日本公開前から楽しみにしていたアンダーソン製作のSFホラー『パンドラム』(09)ですが、これが期待通りの面白さ。日本の劇場公開時は大した宣伝もされず、ひっそり公開してひっそり上映終了になってしまった印象があるのですが(確かパンフレットも作られなかったはず)、この映画、ヘタなSF大作よりよっぽど見応えがありました。

ジャンル的には限定空間型ホラーといったところでしょうか。宇宙船内のみで物語が進行するところも『イベント・ホライゾン』と同じ。宇宙船と呼ぶには異様な造形のエリジウム号のデザインも、鈍色の寺院といった趣だったイベント・ホライゾン号のデザインを踏襲していて嬉しい限り。このメタリックな世界観、好きな人にはたまらないはず。オススメです。

続きを読む