クロッシング -Brooklyn’s Finest- (音楽について)

crossing

というわけで、前回のつづきで『クロッシング』に関するあれやこれやを。
今日はサントラ盤の発売も近いので音楽について。

アントワン・フークア作品の音楽と言えば、

『リプレイスメント・キラー』(98):ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
『ワイルド・チェイス』(00):マーク・マンシーナ
『トレーニング デイ』(01):マーク・マンシーナ
『ティアーズ・オブ・ザ・サン』(03):ハンス・ジマー
『キング・アーサー』(04):ハンス・ジマー
『ザ・シューター/極大射程』(07):マーク・マンシーナ

・・・と、実に分かり易い作曲家の選び方をしています。この感じで行けば、今回の『クロッシング』もマンシーナか、あるいは他のRC系コンポーザーに落ち着くだろうと予想するわけですが、実際に白羽の矢が立ったのは『グッド・シェパード』(06)、『闇の列車、光の旅』(09)のマーセロ・ザーヴォスという意外な人選。「え?マンシーナじゃないの?」と、まずここで驚く。

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The Men Who Stare At Goats

The Men Who Stare at Goats

それにしても『ヤギと男と男と壁と』とは、某お笑い芸人もケッタイな邦題をつけてくれたもんです。タイトルを聞いただけでは何が何だかよく分からないし、そもそも言いにくいったらありゃしない。原作本の邦題と英語タイトルの直訳を合わせて『実録!アメリカ超能力部隊:ヤギを見つめる男たち』みたいな感じでよかったと思うのですが。

吹替えとか宣伝部長とか日本語タイトルの命名とか、そろそろお笑い芸人を洋画に干渉させるのはやめて頂きたいなぁ。

ま、それはさておき。映画本編の方はなかなか面白かったです。前半は超能力部隊発足の過程を描くオフビートなコメディ、後半は超能力を間違った方向に利用しようとした米軍及び事実を隠蔽するアメリカの社会風刺ドラマという感じ。題材的には相当ヘンなお話ながら、殊更おバカ映画に仕立てなかったのがよかったかな、と。

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LOST: Season 5の音楽

LOST_season5

「見ている人は見ているけど、そうでない人は全く見ていない」

『LOST』の人気の度合いをひとことで表すと、何かこんな感じのような気がする。「1シーズン終わっても肝心の謎が全く解明されない」という構成は、全ての物事において「過程」よりも「答え」を真っ先に知りたがる若い世代にはキツイものがあるのでしょう。シーズン1から話がずっと続いているので、過去のシーズンをスキップして「途中参加」出来ない作りになっているのも敷居を高くしている要因かな。

メディアが喜んで取り上げそうな「小ぎれいなイケメン」がいないのも影響しているかもしれない。島に飛行機が墜落した人たちの話ですから、小ぎれいな身なりのわけがないんですが。イケメンがいないから見ない、という姿勢もどうかと思いますけど(ソーヤーとかカッコイイと思うんだけどな・・・ダメですか?)。

てっとり早く一般ウケを狙うなら、『24 -TWENTY FOUR-』みたいにお笑い芸人の中から「LOST芸人」みたいな人が出てくれば話題になるのかもしれませんが、ジャック・バウアーのマネをする芸人はいても、ジャック・シェパードのマネをする芸人は皆無。ま、このドラマは扱うテーマが重いので、お笑いネタには不向きではあるのですが。もっとも、『LOST』のファン(筆者含む)はそんな薄っぺらい方法でドラマが話題になっても嬉しくないだろうから、結局今ぐらいの人気がちょうどいいのかな、と思ったりもします。

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メル・ギブソンが泥沼状態な件について

lethal weapon

ここで多くは語りませぬが、メル・ギブソンの元恋人への暴言&DV疑惑が
ドロ沼化の様相を呈しております。

人間ってのは不思議なもんで、昔ワルだった人が歳を取って丸くなるという
ケースがある一方、若い頃の欠点が歳を取るにつれて悪化してくるケースが
あったりします。ギブソンの場合は明らかに後者。

若い頃の彼はオフザケが過ぎたり、言動が荒っぽくてもそこが彼の魅力であり、
「やんちゃな人」で済んだのですが、先頃の飲酒運転&反ユダヤ的暴言など、
どうも歳を取ってからは「冗談じゃ済まされませんぜ」的な言動が目につくように
なってきた印象があります。せっかくいい役者なのに勿体ない事してるなー、
と思う。

この調子じゃ『Edge of Darkness』(10:TVシリーズ『刑事ロニー・クレイブン』の
映画化作品)は日本公開見送りかも。ギブソンが迫真の演技をしているらしいので、
是非とも見てみたいのですが。

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INCEPTION

inception

この前の先行上映の時に劇場が満員で泣く泣く断念した『インセプション』(10)を観てきました。

いやー見応えのある映画でした。見終わった後に「ううーむ」と唸ってしまうような、奥が深くて重厚な内容。

こういう映画は予備知識を極力ゼロにして観た方が断然面白いので、中身について詳しい事はあまり書かない事にします。個人的に感銘を受けた点などをちょっとだけご紹介しようかなと。

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