『ボーン・アイデンティティー』と『推定無罪』のデラックス・エディション盤サントラを買いました。

先日Varese Sarabandeから枚数限定でリリースになった『ボーン・アイデンティティー』(02)と『推定無罪』(90)の拡張盤(デラックス・エディション)サントラを買いました。

理由はよく分かりませんが、『ボーン・アイデンティティー』は”Tumescent Edition”と銘打たれていました。

The Bourne Identity (Tumescent Edition) – TOWER RECORDS

『ボーン・アイデンティティー』のサントラは、通常盤も収録時間が53分くらいあって満足度の高いアルバムでしたが、今回のデラックス盤は全31曲、収録時間75分となっています。
通常盤に未収録だったスコアと、4曲のスコアのバージョン違いをいくつか収録しています。

シリーズ第1作ということで、まだのちのシリーズのような「ライブパーカッション乱れ打ち!」という音楽になっていなくて、「ストリングス+パーカッション+打ち込みのリズム」が主体のミニマルなアクションスコアになっているのが、いま聴くとなかなか新鮮。
エッジの効いた電子音の割合が比較的多めなのも興味深い。
ブックレットに載っているジョン・パウエルのインタビューを読むと、この手のアクション映画でテーマ曲にバスーン(ファゴット)のソロを使うというのは、当時としてはかなり斬新なアプローチだったようです。

第1作の公開から20年の節目にVareseからデラックス盤が出たのなら、2024年には『ボーン・スプレマシー』(04)のデラックス盤も発売になるんでしょうかね…。
『ボーン・アルティメイタム』(07)はDecca、『ジェイソン・ボーン』(16)はBack Lot Musicからのリリースなので、この2作品についてはその法則には当てはまらないと思いますが。

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BANGER!!!で書いた『ストレイ・ドッグ』音楽コラムの補足 / セオドア・シャピロはシリアス映画の音楽も素晴らしいという話。

先日、BANGER!!!で『ストレイ・ドッグ』(2018)の音楽紹介コラムを書きました。

ニコール・キッドマンが“心身ズタボロ”の刑事に!『ストレイ・ドッグ』の“重くて不吉な劇伴”に脂汗!! | BANGER !!!
https://www.banger.jp/movie/78197/

ワタクシは20年近くセオドア・シャピロの音楽を聴いているので、彼の野心作『ストレイ・ドッグ』の音楽について是非あれこれ書きたい!と思っていました。
しかしサントラもCDプレス盤では発売されなかったし、国内盤も発売されなかったので、何か書くならBANGER!!!さんしかないだろうということになり、『シンプル・フェイバー』(18)に続いてシャピロの音楽をご紹介することになりました。今更ながら、『シンプル・フェイバー』と同じ年に全く異なるサウンドの『ストレイ・ドッグ』の音楽を作曲していたというのは凄いことですね…。

まぁ書くべきことはほとんどコラムの中で書いてしまったので、当方のブログでは細かいネタの補足と、ワタクシのシャピリストとしての歴史を書かせて頂こうかなと思います。

…というわけで、まずはコラムの補足から。

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1980年代~1990年代のケビン・コスナー主演作のサントラ盤をいろいろ買った話(『リベンジ』『フィールド・オブ・ドリームス』『追いつめられて』)

連休中、実家の母が「久しぶりにケビン・コスナーの『リベンジ』(90)を観たくなった」と言ってきました。
そういえば自分もこの映画を久しく観ていなかったなと思い、実家にDVDを送る前に本編を鑑賞したところ、「見応えのある復讐と因果のドラマだなぁ」とのめり込んで観てしまった次第です。

トニー・スコットというと「『トップガン』(86)の監督」というイメージですが、あれはどちらかと言えば「ジェリー・ブラッカイマーの映画」であって、誰が監督してもああいう感じの内容になったのではないかと思います(室内の陰影のある映像がスコット兄弟っぽいな、という程度で)。
のちの『トゥルー・ロマンス』(93)や『マイ・ボディガード』(04)などを観ると、トニー・スコット”らしさ”が出ているのはむしろ『リベンジ』のほうだった気がします。

…とまぁそんなわけで本編を観ていたらジャック・ニッチェの音楽が耳に残ったので、何年か前にスコア盤が発売になっていたことを思い出し、買えるかどうか調べてみたら幸いまだ在庫がありました。もちろん、すぐさま購入しました。

Revenge: Original Motion Picture Soundtrack – amazon
Revenge: Original Motion Picture Soundtrack – TOWER RECORDS

『リベンジ』の音楽は、物語の舞台であるメキシコの雰囲気を内包したシンセスコア。
パンパイプのような音色が聞こえますが、おそらくサンプリング音源ではないかと。
愛のテーマの流麗なメロディに心を奪われます(ちょっと『ナイルの宝石』(85)の愛のテーマっぽくもある)。ギター演奏は名手トミー・テデスコでした。

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最近買ったサントラ盤のお話:『THE BATMAN -ザ・バットマン-』『ヴィデオドローム』『アイアン・ジャイアント』(デラックス盤)

最近というには少々日にちが経ってしまったものもありますが、先月から今月にかけてこのようなサントラ盤を買いました。

その1:『THE BATMAN -ザ・バットマン-』(22)

コロナ禍で映画館へ行かなくなっているので、映画本編を観るのは当分先(=家で観られるようになってから)になるものの、サントラ盤は先に買っておきました。
なぜなら以前ブログでご紹介した『マトリックス レザレクションズ』(21)のサントラ盤と同じように、CDプレス盤で買えるのはランブリング・レコーズさんの初回導入分だけだったから。案の定、CDプレス盤は早い段階で売り切れてしまいました。

音楽担当はマイケル・ジアッキーノ。
ものすごくダークで重々しい音楽でした。
これはもうホラー映画の劇伴と言っても差し支えない。
その一方で、ヒーロー映画(ダークヒーロー映画)らしいリスナーを高揚させる瞬間も随所に用意されている。ジアッキーノ渾身の傑作スコアでした。

ジアッキーノはシンセとかドラムループを基本的に使わないタイプの作曲家なので、そういう意味ではダニー・エルフマンのバットマン音楽に回帰したとも言えるのかな。
今回の『THE BATMAN』のほうがコミックス的なノリも抑えめで陰鬱なトーンになってますが。

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4月のBANGER!!!コラムの補足 – 『クリミナル 2人の記憶を持つ男』の音楽はなぜシンセスコアになったのか

ムービープラスで『クリミナル 2人の記憶を持つ男』(16)の放送があるということで、BANGER!!!で音楽紹介のコラムを書きました。

凶悪犯に“感情”は生まれるのか?『クリミナル 2人の記憶を持つ男』極悪ケヴィン・コスナーの胸熱サスペンス
https://www.banger.jp/movie/76502/

この映画、スコア作曲のブライアン・タイラーがシンセでなかなか面白いことをやっていたので、機会があったら是非音楽をご紹介したいと考えていました。
プレス枚数はそれほど多くなさそうでしたが、サントラ盤は輸入盤で出ていたものの国内盤は発売されず。現在は廃盤になっていて配信でのみ入手可能といった感じです。
そういえばこれだけ豪華スターが共演しているのに、日本での劇場公開規模もそれほど大きくなかったような記憶もあります。面白いのになぁこの映画。

音楽の重要なポイントについてはBANGER!!!のコラムでほぼご紹介しましたが、例によってもう少し補足すべきネタが2,3あるのでブログで書かせて頂きます。

まず本作の音楽がなぜシンセスコアになったのかという件。

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