『オブリビオン』と『ラビング 愛という名前のふたり』のサントラ盤(輸入盤国内仕様)に音楽解説を書いてます。

ランブリング・レコーズさんは、以前Back Lot Musicからリリースされた旧作サントラを国内仕様でまとめて数十タイトルリイシューしましたが、今回も3ヶ月に分けて15タイトルを再販することになったそうです。

そんなわけで、15タイトル中5タイトルの音楽解説をワタクシが書かせて頂くことになりました。
今回はひとまず1月26日に発売になったタイトルをご紹介します。

その1:『オブリビオン』(13)

ワタクシが担当することになった5タイトルのうち、依頼が来て一番嬉しかったのがこちらの作品。
…というのも『オブリビオン』の劇場公開当時、サントラ盤の音楽解説の依頼が来た時に備えていろいろリサーチしていたのですが、結局日本盤が発売されなかったのでリサーチが無駄に終わってしまった(とその時は思っていた)んですね…。

しかし8年の時を経て、こうして当時の努力が報われる形になったと。
M83の「オーケストラ+エレクトロ・シューゲイザー」な音楽も好きだったし、大変やり甲斐のあるお仕事でした。
ちなみにブックレットにジョセフ・コシンスキー監督のセルフ・ライナーノーツが載っていたので、今回は全訳致しました。
通常より原稿の文字数が少なめのご依頼だったので、セルフライナーの全訳に文字数を割きつつ、作曲家(M83のアンソニー・ゴンザレスと共同作曲のジョセフ・トラパニーズ)の略歴を紹介して、音楽の聴きどころもざっくりご説明する感じになりました。
文字数も何とか指定の範囲でギリギリ収まりました。
メロディックで高揚感のあるよい音楽なので、この機会に是非聴いて頂きたいと思います。

『オブリビオン』オリジナル・サウンドトラック(輸入盤国内仕様)
amazon
TOWER RECORDS

音楽:M83
輸入・販売元:Rambling RECORDS Inc.
品番:RBCP-7448
価格:2,200円(税込)
発売日:2022年01月26日

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『ギャング・オブ・アメリカ』のBANGER!!!コラムのこと。そしてサウンドトラックアルバムのこと。

先日、BANGER!!!で『ギャング・オブ・アメリカ』(21)の見どころポイントと音楽の紹介記事を書きました。

「殺人組織」を率いた伝説の男!『ギャング・オブ・アメリカ』ハーヴェイ・カイテル82歳の含蓄あふれる名演に慄く
https://www.banger.jp/movie/72445/

普段ならば映画の紹介と音楽の解説は4:6くらいの割合で書くのですが、ワタクシはハーヴェイ・カイテルが大好きなので、今回は個人的な推しのカイテル出演作の話が多めになりました。

学生の頃、「ハーヴェイ・カイテルの出演作にハズレなし」と信じて疑わなかったワタクシは、いろんな映画を観まくったものです。
WOWOWやスターチャンネルの放送作品はもちろん、
ビデオレンタルで観た『バッドデイズ』(97)、
今はなき仙台のシネアートで上映された『スモーク』(95)、
わざわざ恵比寿ガーデンシネマまで観に行った『真夏の出来事』(96)、
大学時代の恩師と物語の解釈を議論した『ルル・オン・ザ・ブリッジ』(98)、
AXNミステリー(だったかな?)で放送されたテレビシリーズ『ニューヨーク1973/LIFE ON MARS』(08)など、どれも思い出深い作品です。

そんなカイテルおじさまも御年82歳。
主演作が日本で劇場公開になるというのはとても貴重なことだし、これを逃したらBANGER!!!でカイテル出演作のコラムを書く機会も訪れないだろうと思い、当方の”カイテリスト”としての矜恃を前面に出して原稿を書かせて頂いた次第です。

カイテルの演技の真骨頂といえば、あの「ファッファッファッ」という独特かつ気風のいい”笑い”と、『レザボア・ドッグス』(91)のラストや『バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト』(92)で見せた、見ているこちらまで苦しくなってくる”魂の泣き(嗚咽)”の演技。『ギャング・オブ・アメリカ』はその二つが観られるというのが素晴らしいのです。

そんなわけで今度は音楽のお話。

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『マークスマン』のBANGER!!!コラムの補足的なお話

先日、BANGER!!!でリーアム・ニーソン主演最新作『マークスマン』(21)の見どころポイントと音楽の紹介記事を書きました。

麻薬カルテルから少年を守れ!! リーアム・ニーソンの逃避行アクション『マークスマン』 音楽はドラマ『24』の作曲家 | BANGER!!!
https://www.banger.jp/movie/70957/

めぼしいことは大体コラムの中で書いたと思うのですが、もう少し補足しておいたほうがいいかなというネタも少しあるので、それについては当方のブログで書かせて頂きます。

音楽担当は『24 -TWENTY FOUR-』(01~10, 14)のショーン・キャラリー。
最近だと『BULL/ブル 法廷を操る男』(16~)の音楽を担当してます。
テレビシリーズの音楽制作をメインに手掛けている方なので、長編映画のスコア作曲は久々になります(当方調べでは8年ぶりくらいだと思います)。

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2021年最後に買ったサントラ盤(『ラブ・アクチュアリー』スコア盤/『クエスト・オブ・キング 魔法使いと4人の騎士』)

11月中旬あたりから怒涛の原稿締切ラッシュが続いておりまして、ブログの更新が思いっきり滞っております。

そんなわけで、最近買ったサントラ盤をご紹介して(…と言っても2枚だけですが)2021年最後のブログにさせて頂きたいと思います。

■その1:『ラブ・アクチュアリー』(03)スコア盤

クレイグ・アームストロングの音楽をこよなく愛するアームストロンガーとしては、映画の公開当時から発売してほしいと思っていた『ラブ・アクチュアリー』のスコア盤。

当初の予定より発売日が延びたということで、クリスマスの日に手に入ればいいネタになったのですが、このアルバムと”おまとめ発送”にしていた某サントラ盤も入荷が延びに延びまくったので、おとといになってようやく手に入りました。。

スコア盤の宿命である「コンピ盤に比べてジャケ写が地味」という件ですが、このアルバムに関して言えばジャケットがリバーシブル仕様になっているのが密かに嬉しい

コンピ盤では数曲しか聴けなかったアームストロングのスコアが60分近く聴けて幸せです。

クレイグ・アームストロング/ラブ・アクチュアリー(3000枚限定:スコアアルバム/輸入盤) – amazon
Craig Armstrong / Love Actually (Original Motion Picture Score) – TOWER RECORDS

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『ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー』を久々に観たのでその雑感。

先日、キングレコードの「死ぬまでにこれは観ろ! 2021」で『ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー』(81)のブルーレイをゲットしました。
BSやCSの映画チャンネルでもなかなか放送の機会がなくて、数年ぶりに本編を観た気がするのですが、実に見応えがありました。

「コンピューターでガードされた、ロス最大の地下金庫が深い眠りについた時、俺のラスト・ビジネスが始まった!」


…と見出しには書いてあるものの、プロの泥棒であるフランクのやり方は、ドリルで金庫に穴を開けたり、特別製のトーチで扉を焼き切ったり、ケーブルの束からお目当てのケーブルを探り当てたり、アナログ現場作業なのがグッと来る。
「コンピューターのネットワークに侵入して手を加えて完了!」という近年のケイパー映画の展開に食傷気味なので、上記のような“プロの技”が劇中で丁寧に描かれるとつい見入ってしまう。

80年代といえば、痛快無比なワンマンアーミー的アクション映画とハッピーエンドが主流だったのに、当時これだけ虚無的なエンディングの映画を撮ってしまうマイケル・マンはやっぱりすごいなとも思いました(華やかなビジュアルで誤解されがちですが、『特捜刑事マイアミ・バイス』も救いのないバッドエンドのエピソードが結構多かった)。

ジェームズ・カーンのプロフェッショナルな銃さばきとか、衣装係が8週間かけて探し回ったけどいいものが見つからなくて、結局スタッフが自作してしまったジェームズ・ベルーシのアロハシャツとか、スタントマンと何度も何度も特訓したベルーシの被弾シーンとか、ベルーシの結婚式の日に追加撮影のスケジュールを入れて、マン自ら彼の婚約者に「撮影が入ったから式を1週間伸ばしてくれ」と電話したとか、この時からマイケル・マンのこだわり(完全主義者っぷり)が随所に炸裂しているのも素晴らしい。

ちなみに映像特典扱いだった本作の4Kレストア版本編ですが、同じ映画とは思えないほど映像のトーンが違ってました。
4Kレストア版は青みの強い寒色系の映像といえばいいのかな。よりフィルム・ノワールっぽい映像になっている印象ですが、80年代的「ネオン・ノワール」の雰囲気を楽しむならば、通常マスター版の彩度強めな映像もいいんですよね。
だからこの映画の場合、通常版と4Kレストア版のどちらがいいかというのは観る人の好み次第といったところ。
ワタクシは通常マスター版の映像に目が馴染んでしまっている感じ。だからこそ、4Kレストア版が新鮮な気持ちで観られましたが。

そんなわけで『ザ・クラッカー』を久々に堪能したので、サントラ盤も連日聴きました。

ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー オリジナル・サウンドトラック(amazon)
ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー オリジナル・サウンドトラック<期間限定盤> (TOWER RECORDS)

https://store.universal-music.co.jp/feature/soundtrack2024

音楽担当はタンジェリン・ドリーム。
ワタクシ、今年はBANGER!!!にフリードキン映画の音楽コラムを書いたこともあって、『恐怖の報酬』(77)のタンジェリン・ドリームの音楽をよく聴いたような気がするのですが、個人的には『ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー』の音楽のほうが好きです。

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