『ブラック・クランズマン』のテレンス・ブランチャードの音楽を自分なりに掘り下げて聴いてみた。

先日『ブラック・クランズマン』(18)を観てきました。
音楽は”A SPIKE LEE JOINT”に欠かせない作曲家/ジャズ・トランペッターのテレンス・ブランチャード。

「スパイク・リーの映画は音楽もイイ!」という話はよく聞くのですが、
まぁそれは多くの場合劇中の挿入歌のことなんですよね…。
今回のパンフもプリンスが歌うエンドクレジットソング”Mary Don’t You Weep”と、コーネリアス・ブラザーズ&シスター・ローズの”Too Late to Turn Back Now”についてはコラムで触れていたのですが、スコアについての話は全くなし。
ブランチャードは本作の音楽でアカデミー賞作曲賞にノミネートされたんですけどね。。スタッフ紹介のページでブランチャードの略歴が小さく紹介されていた程度でした。
でも劇中使用曲のリストがパンフに小さく載っていたのはナイスな心遣いと言えるかもしれません。

とはいえブランチャードのスコアは完全スルーというのは、
彼の音楽が好きな当方としてはちと寂しい。
…というわけで、ワタクシなりにあちこちで仕入れたネタや、
音楽を聴いていて気づいたことを少しばかり書いてみたいと思います。

 

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『荒野にて』のスコアは”考えるのではなく、感じる音楽”…だと思う。

ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、
『荒野にて』(17)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きました。
音楽はジェームズ・エドワード・バーカー。

日本のサントラリスナーにもほとんど知られていない作曲家ですが、
ワタクシちょうどこの仕事の数週間前に『タイム・トゥ・ラン』(15)をDVDレンタルで観ていて、
「B級アクション映画専門の作曲家さんかと思ったら、アンドリュー・ヘイのようなアート系映像作家の作品も担当するんだなぁ」という感じで、どんな音楽を書いたのか俄然興味が湧いてきたのでした。

で、ランブリングさんから送って頂いた音源を聴いてみたら、
当方の想像以上に深遠な音世界を構築していたので、軽く衝撃を受けた次第です。

そして試写で映画本編を観たらさらに衝撃。
上映時間122分の中で、スコアが使われていたのは20分ちょっとでした。。
思えば『さざなみ』(15)もスコアが一切ない映画でしたね。。

それじゃあ今回もスコアがなくてもよかったんじゃね?…と思われるかもしれませんが、ヘイ監督はそうしなかった。
その理由を考えてみると、
やはり「荒野」という特殊なロケーションと、
そこを彷徨う口数の少ないナイーブな少年の機微を描くためには、
ここぞというところで音楽が必要だったのでしょう。

 

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「BANGER!!!」ブライアン・フェリーの記事の補足/コラムで紹介しきれなかった作品について

前回のブログでもちょろっと書きましたが、
先日ブライアン・フェリーの東京公演を観てきました。

ブログでライブレポートでも書こうかなと思っていたのですが、
ちょうど「BANGER!!!」のコラムを今月あと1本書かなければならなかったので、
そちらにフェリーさんについてのコラムを書かせて頂くことにしました。

そうは言っても、
ただライブレポートを書いただけでは映画と全然関係ないし、
映画音楽ライターらしくもない。
そこであれこれ考えた結果、
「ブライアン・フェリー&ロキシー・ミュージックの曲が使われた映画紹介」というお題でコラムを書いてみようと思った次第です。

『キングスマン』『ナインハーフ』英ロック界の伊達男ブライアン・フェリーの音楽を堪能 | BANGER!!!
https://www.banger.jp/movie/6753/

 

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先週買ったサントラ盤いろいろ→『ブラック・クランズマン』『ドント・ウォーリー』『グローリーデイズ』『スケッチ・アーティスト』

先週は数日お休みを頂きまして、
ブライアン・フェリーの東京公演を観て参りました。

…と言っても、
前日に某映画のマスコミ試写会があったり、
会社訪問したりしたので、
お休みと言っても結局仕事の出張になったのですが。

で、仕事のリサーチも兼ねて、
東京から帰ってきたら今月もいろいろサントラ盤を買い込みました。

 

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トム・ホルケンボルフの音楽で「銃夢」の実写映画が観られるという幸せ――『アリータ:バトル・エンジェル』

花粉症で体調最悪な中、
先日『アリータ:バトル・エンジェル』(19)を観てきたのですが、
当方の想像以上によく出来ていて面白かったです。

ワタクシが『銃夢』の世界に触れるのは、
たぶんプレイステーションの『銃夢 ~火星の記憶~』以来。
久々に「パンツァークンスト」という言葉を聞いて懐かし嬉しくなりました。

今回の実写版の「パッチリおめめビジュアル」についても、
映画開始数分で全く気にならなくなりました。
…というか、「限りなく人間に近い造形のサイボーグ」ならあれで全く問題なしだろうと。
実写版アリータの愛おしさは、
止め絵のビジュアルでは十分伝わらないところがありますね。
実写で動いているガリィさん(=アリータ)を観て初めてあの魅力が分かるというか。

スコアの作曲はジャンキーXLことトム・ホルケンボルフ。
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)、
『トゥームレイダー ファースト・ミッション』(18)、
『移動都市/モータル・エンジン』(19)など、
近年すっかり「戦う女性のアクション映画音楽といえばこの人」みたいな感じになってます。

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