映画『ゼロ・グラビティ』(13)は映像、物語のみならず音楽(オリジナル・スコア)も素晴らしかった。
僕個人としては、作家性の強いSF映画の音楽はクリフ・マルチネスの『ソラリス』(02)と、
クリント・マンセルの『月に囚われた男』(09)の2本でもう最高レベルに達したと思っていました。
もうこれ以上のものは出て来ないのではないか、と。
ところが出てしまったんですねー。
今回の『ゼロ・グラビティ』の音楽、聴いていて鳥肌が立ちました。
こんなにも心の底から感情を沸き立たせてくれる音楽がまだあったとは、と驚いたほどです。
作曲はスティーブン・プライス。
『ワールズ・エンド 酔っぱらいが地球を救う!』(13)とか、
『アタック・ザ・ブロック』(11)の音楽を手掛けた若手作曲家です。
プライスのバイオグラフィーはサントラ盤封入のライナーノーツに詳しく書かせて頂きましたが、
それにしてもエドガー・ライト印のコメディ映画の音楽を作曲していた人に、
シリアス極まりないSFサバイバル映画の音楽を任せてしまうのだから、
アルフォンソ・キュアロン監督の人選もスゴイものがありますね…。
結果的にその選択は大正解だったわけですが。