映画『コンティニュー』の劇中で使われた曲リスト(当方の分かる範囲でご紹介)

ランブリング・レコーズ様のご依頼で、映画『コンティニュー』(21)のサントラ盤に音楽解説を書かせて頂きました。
音楽担当は『第9地区』(09)のクリントン・ショーター。

サントラ盤(クリントン・ショーターのスコア)に関するお話は前回のブログで大体のことは書きましたが「俺はスコアじゃなくて映画の中で使われた歌モノについて知りてぇんだよ!」という方も一定数いらっしゃると思うので、今回は劇中で使われた既製曲を自分がオンライン試写を観て把握出来た範囲でざっくりご紹介します。
ダウンロード購入やサブスクを利用して曲をかき集めて頂ければと思います。

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【追悼エンニオ・モリコーネ】モリコーネの映画音楽と、青春時代の思い出のお話。

コロナ禍が全く収束せず気が滅入っている中、先日さらに落ち込むような知らせが飛び込んで参りました。

映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネ氏死去 「アンタッチャブル」「ニュー・シネマ・パラダイス」など
https://eiga.com/news/20200706/11/

モリコーネは高齢だったので、いずれ(そう遠くない時期に)そういう知らせを聞くことになるのだろうと覚悟はしていたのですが、実際に訃報を聞くと、その現実をなかなか受け止められない。
91歳というお年を考えれば「天寿を全うした」とも言えるのですが、リンク先の記事を読むと「転倒して大腿骨を骨折し、5日の深夜に入院先の病院で死亡した」ということなので、ご本人はまだやりたいことがいろいろあったのかもしれない。
そう思うと何だか辛い。そして悲しくなってくるのです。

数々の素晴らしい音楽をありがとうございました。
R.I.P.

さて以前も書きましたが、自分は初めて買ったサントラ盤がハンス・ジマーの『アサシン 暗・殺・者』(93)とパトリック・ドイルの『カリートの道』(93)のスコア盤でした。
なのでモリコーネのサントラを聴くようになったのはもう少し後のことでした。確かジマー→ジェリー・ゴールドスミス→モリコーネの順番だったと思います。

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ポリスの6枚組CDボックス「Every Move You Make: The Studio Recordings」を買いました。

10日ほど前、amazonで予約注文していたポリスの6枚組CDボックス「エヴリ・ムーヴ・ユー・メイク:ザ・スタジオ・レコーディングス」が届きました。

ポリスのスタジオアルバム5枚と、 シングルB面曲を集めた「フレキシブル・ストラテジーズ」の計6枚。 いずれも音はリマスター済み。

ポリスのアルバムは全部持ってるし、レア・トラックを熱心に集めているタイプでもないので、正直「ものすごく買わなきゃ!」というボックスセットでもなかったのでした。

しかし先頃の来日公演で、台風トラブルにも関わらず仙台で振替公演のライブを実施してくれたスティング様に敬意を表して、ボックスセットを買わせて頂くべきなのではないかと思いまして。
で、国内盤は4,400円で輸入盤はさらにお安くて3,000円弱くらいだったのですが、BANGER!!!のスティング映画主題歌コラム用にアルバムジャケットの掲載許可を下さったユニバーサルミュージックさんへの感謝の意も込めて、 今回は国内盤をチョイスさせて頂きました。

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『さらば愛しきアウトロー』でロバート・レッドフォードが体現するアウトローの美学、そして挿入歌”Blues Run The Game”の歌詞について

ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、
『さらば愛しきアウトロー』(18)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きました。

そして先日BANGER!!!でこんなコラムを書かせて頂きました。

意思は貫くが、運命には逆らわない レッドフォード流“アウトローの美学”と“ジャズ”『さらば愛しきアウトロー』 | BANGER!!!
https://www.banger.jp/movie/13646/

 

「自分の意思は貫くが、運命には逆らわない」とはどういうことか?…ということで、BANGER!!!のコラムでは字数の都合で書けなかったことを、ブログでもう少し補足させて頂こうかなと思った次第です。

前回のブログで「我が家は母子二代にわたるレッドフォードのファン」ということを書きましたが、
ちょうどコラム原稿を書いていた週に実家に帰る機会があったので、原稿の構想を練る意味も兼ねて熱いレッドフォード談義を交わしたのでありました。

 

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『さらば愛しきアウトロー』のジャズ・スコアは、ロバート・レッドフォードを最高にカッコよく、チャーミングに見せる音楽だと思う。

ランブリング・レコーズ様からのご依頼で、
『さらば愛しきアウトロー』(18)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きました。

我が家は母子二代にわたるロバート・レッドフォードのファンなので、レッドフォード出演作のサントラ盤のお仕事が出来て嬉しかったです(ある意味、レッドフォード好きの母への親孝行にもなりましたし)。

音楽を担当したのはデヴィッド・ロウリー監督作品の常連作曲家ダニエル・ハート。
『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』(17)が話題になったことで、ハートと彼のバンド”Dark Rooms”の知名度がグンとアップした印象がありますね。
『ピートと秘密の友達』(16)や『セインツ -約束の果て-』(13)の時は、まだそれほど注目されていなかったような気がします。

『A GHOST STORY』の時は「アルヴォ・ペルトの合唱曲やブロークン・ソーシャル・シーンの曲、70年代~80年代のジョン・カーペンターのスコア」などを模索しつつ、最終的には実存主義的な映画の内容に即した音楽を作曲していて、「いい音楽だな」ということは感覚的に分かるのだけれども、スコアのテーマや作曲者の意図を読み取るとなると少々難解なサウンドに仕上がっていました。

しかし今回の『さらば愛しきアウトロー』では、
エンターテインメント路線にシフトした、メロディアスで万人向けのジャズ・スコアを作曲しています。

 

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