『ワイルド・スピード EURO MISSION』の音楽

fast and furious 6

前回のブログで文章が長くなって先送りしたネタです。
『EURO MISSION』(13)の音楽について。
ここでいう「音楽」というのはオリジナル・スコアの事ですのであしからず。

 

『ワイルド・スピード』シリーズの音楽は、
ジャスティン・リンが監督するようになってからずっとブライアン・タイラーだったので、
今回もそうなんだろうなーと思ってました。
しかしいつまで経ってもVareseからスコア盤リリースの情報が入らない。
ブライアン・タイラーもYouTubeにテーマ曲のPVをアップしない。
何か変だなーと思ったら、音楽担当がタイラーさんじゃなくて、
『推理作家ポー 最期の5日間』(12)のルーカス・ヴィダルだったと。

 

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サブキャラ愛に溢れた続編 『ワイルド・スピード EURO MISSION』

fast and furious 6

遅ればせながら、昨日やっと『ワイルド・スピード EURO MISSION』(13)を鑑賞。
『TOKYO DRIFT』(06)、『MAX』(09)、『MEGA MAX』(11)のサントラ盤ライナーノーツを担当した身としては、絶対に見ておきたい作品でございました。
何で今回はスコア盤が出ないんだ?と不思議に思っていたのですが、
音楽担当がブライアン・タイラーじゃなくてルーカス・ヴィダルだったんですね。
タイラーさんだったらVareseが放っておくわけないもんなぁ。

まぁその話は後で詳しく書くとして、まず本編を観て思った事をずらずらと。

前作『MEGA MAX』でかなり派手なカーアクションを見せてしまったので、
もうあれ以上スゴイアクションは出来ないだろうと思っていたのですが、
やりようはあるもんなんだなーと感心しました。
ロンドン市街地のカーチェイスにストリートレース、
高架道路で戦車を逆走させるイカれたカーアクション、
銃撃戦、ストリートファイト戦、サブミッション戦にタッグマッチ戦、
離陸する飛行機の中と外で繰り広げる壮絶なドツキ合い&カーアクション…と、
次から次に趣向を凝らした豪快アクションを見せてくれているではありませんか。
惜しむらくはクライマックスの滑走路アクションが、
夜間なので暗くてよく見えないところでしょうか。
『MEGA MAX』のクライマックスは陽光輝くリオの街中で暴れ回ってくれたので、
あれに比べると視認性の点でちょっと。

 

それにしてもこのシリーズ、見た目の派手さと豪快さとは裏腹に、
登場人物の描き込みが結構しっかりしているのがポイントだったりします。
チーム・ドミニクの面々はもちろん、サブキャラにもそれぞれ「見せ場」があるのが秀逸。
シリーズのファンがネタにしていそうな、
「そういえば前作に出てたアイツとかどうしたのかな?」みたいな脇役も、
続編でしっかり登場させてしまうのが実にニクい。

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BRAKE / ブレーキ

brake

スティーヴン・ドーフが車のトランクに監禁されて悪戦苦闘するシチュエーション・スリラー。
ドーフは製作総指揮も兼任。2012年作品。
『[リミット](10)』を観て「俺もこんな映画に主演したいぜー」と思って作ったと思われます。
何しろ全編ほぼひとり芝居なので、演技力を披露するにはうってつけの題材ですから。
 

監禁場所が車の中なので、『[リミット]』よりは展開に動きがあるのがミソ。
予備知識を一切入れずに観たら、B級とはいえそこそこ楽しめました。
外の様子を「見えそうで見えない」感じでチラ見せするのもスリリングでいいかな、と。
ドーフの日本語吹替えが小山力也氏というのは、
明らかにジャック・バウアーのイメージでしょうね。
必死の形相で電話をかけまくるところとか、
悪態つくところとか、もうそのまんま(セリフ回しも何か似てる)。

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Brian Tylerによる映画『Now You See Me』テーマ曲のPV

ジェシー・アイゼンバーグ、ウディ・ハレルソン、メラニー・ロラン、
マーク・ラファロ、マイケル・ケイン、モーガン・フリーマン、アイラ・フィッシャーほか、
豪華キャストが勢揃いしたマジシャン銀行強盗映画『Now You See Me』(13)。

 

日本でも『グランド・イリュージョン』の邦題で10月公開予定らしいですが、
ブライアン・タイラー作曲のメインテーマのPVがYouTubeにアップされてました。

※2016年9月3日追記:
『グランド・イリュージョン』続編のブログ記事はコチラ(↓)です。

シンフォニックでグルーヴィー。
ブライアン・タイラーが『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』で目指した曲作りとは?
https://www.marigold-mu.net/blog/archives/7995

それにしても毎度の事ながら、イカすPVを作ってくれますなー。
(タイラー本人もイケメンの自覚があるのだろうか?)
ドラムスティックのトリックなど、さりげなく映画を意識してるあたりがニクい。
そしてラモーンズのTシャツを着ているあたりもニクい。

 

先日の『アイアンマン3』(13)の音楽でグッと評価を上げたタイラーさんですが、
今回もいい感じのスコアを書いてくれていそうです。期待大。

 

 

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マシュー・マコノヒーのダークサイドが炸裂する怪作『キラー・スナイパー(原題:KILLER JOE)』

ウィリアム・フリードキン監督が放つ異色スリラー(というかダークコメディでもある)『KILLER JOE』(12)が『キラー・スナイパー』というズレた邦題でDVDスルーになりました。

この映画、スナイパーなんか出て来ません。
タイトルロールの悪徳警官ジョー(マシュー・マコノヒー)も狙撃銃なんか持たないし、そもそもガンアクション・シーンもありません。

多くの人が「何でこんな邦題になったんだよ!」と憤慨しているようですが、おそらく発売元が「何か地味な映画だから、タイトルを”キラー・スナイパー”にして、アクション映画と勘違いして製品を手に取ってもらえるようにしよう」…と考えたのではないかと思われます。

ちなみに『KILLER JOE』は、トレイシー・レッツ(『BUG/バグ』(06)の原作者)の戯曲を映画化した作品です。観ていて「地味」と思ったら、それは「舞台劇が原作だから」ということなので念のため。

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