『ゴッドファーザー PART II』50周年記念エディションのサウンドトラックアルバムを購入。

昨年の11月末ぐらいの頃になりますが、La-La Land Recordsから発売になった『ゴッドファーザー PART II』(74)の50周年記念エディションのサントラ盤を買いました。
2022年に発売された『ゴッドファーザー』(72)の50周年記念盤サントラと同様にCD2枚組。

『ゴッドファーザー PART II』50周年記念盤/リマスター完全盤(サウンドトラック)- amazon
オリジナル・サウンドトラック ゴッドファーザー Part II(50周年記念盤/リマスター完全盤)<輸入盤国内流通仕様> – TOWER RECORDS
The Godfather Part II: 50th Anniversary Remastered and Expanded Limited Edition<輸入盤> – TOWER RECORDS

Disc1にニーノ・ロータの劇伴とソースミュージック集、そして”Additional Material”と題された追加曲を合計36曲収録。収録時間73分くらい。
Disc2には通常盤サントラの内容を丸ごと収録したものと、カーマイン・コッポラ作曲/編曲によるソースミュージックを合計26曲収録。こちらの収録時間は63分くらい。
通常盤が収録時間39分くらい(14曲収録)だったので、デラックス・エディションにふさわしい大ボリュームと言えるでしょう。

これらのデラックス・エディション盤に収録されたロータの劇伴は、映画本編で使われたバージョンもあれば本編未使用のものもあり、また本編で使われなかった部分と使われた部分の両方が含まれたバージョンもあったりするので、通常盤と聴き比べると劇伴の内容が少し違う。

『ゴッドファーザー PART II』オリジナル・サウンドトラック(サントラキャンペーン2024)- amazon
ゴッドファーザーPARTII オリジナル・サウンドトラック<サントラ・キャンペーン2024 期間限定盤> – TOWER RECORDS

例えば”Kay”という曲は通常盤だと3分近くありますが、デラックス・エディション盤だと”Film Version”となっていて1分11秒くらいだったりする。
“After The Party”という曲も通常盤だと”Ev’ry Time Look in Your Eyes”と繋がっていたけれども、今回のデラックス版ではロータが作曲した”After The Party (Expanded)”だけになっています。このへんの違いを味わうのもまた一興かと。

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『フランシス・F・コッポラ -終わりなき再編集-』で上映される作品のサントラ盤を集めてみた話 その2:『ハメット』『アウトサイダー』

11月29日からコッポラ作品の4Kレストア版上映企画『フランシス・F・コッポラ-終わりなき再編集-が始まるので、上映作品4タイトルのサントラ盤を集めてみました。

『カンバセーション…盗聴…』(74)
『ワン・フロム・ザ・ハート』(81)
『ハメット』(82)
『アウトサイダー コンプリート・ノベル』(83)

…の4作品。

前回のブログで『カンバセーション』と『ワン・フロム・ザ・ハート』のサントラをご紹介したので、今回は『ハメット』と『アウトサイダー』について書きたいと思います。

『ハメット』

Hammett Original Motion Picture Soundtrack – amazon music

先日久々にDVDで本編を観たのですが、いま改めて観てもこの作品は「ヴィム・ヴェンダースが撮った映画」というより「製作総指揮のコッポラが撮った映画」という印象を受けました。
ドイツの俊英ヴェンダースをハリウッドに招いて映画を撮らせてはみたものの、コッポラと方向性の違いで揉めて製作現場がゴタゴタしていたとか。

それではこの映画が失敗作かというと、(当時の評価はさておき)個人的には案外そういう感じでもなく、スローテンポで進むドラマ(強いて言えばこのへんがヴェンダース的という気もする)もいい味を出しているし、最近はこういう古典的なノワール映画を作ってくれなくなったので、結構新鮮な気持ちで観られました。

そして何より素晴らしいのがジョン・バリーのジャズ音楽。「クラリネットとピアノ」をメイン楽器に据えたのが実に秀逸なチョイスです。
トランペットをメイン楽器に使うとゴールドスミスの『チャイナタウン』(74)と比較されてしまうし、フレデリック・フォレストが体現したハメットの独特な物腰と雰囲気には木管楽器のほうが合っている気がします。
オーディオでサントラを聴いていると、部屋の奥の方から聞こえてくるようなクラリネットの「奥行きのある音」が実に味わい深くてよい感じです。

DVDの裏面に「サックスの悲しげな音楽」と書かれていますが、メインテーマのことを言っているならこれはサックスではなくクラリネットだと思うんですけどね…。

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