007の音楽は『ワールド・イズ・ノット・イナフ』が一番好きなのです

world is not enough

先週『007 スペクター』(15)のサントラ盤を購入したのですが、
当方の予想以上にシブい(地味な)音楽でした。
前作の『007 スカイフォール』(12)もかなり「いぶし銀の音楽」という印象だったけど、
それを上回るシブさになるとは…。

ワタクシはトーマス・ニューマンが好きなので、
「なるほど今回はこう来ましたか!」という具合に聴けるのですが、
ニューマンにさほど思い入れのない007ファンは複雑な心境だろうなーと思ったら、
案の定『スペクター』の音楽の評価は賛否真っ二つに分かれている様子。

まぁワタクシは『スペクター』の本編をまだ観ていないので、
感想は映画を観てからということにさせて頂きたいと思います。

 

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トーマス・ニューマンの『007 スカイフォール』の音楽はよく出来ていると思うの巻

skyfall

金曜に『007 スカイフォール』(12)のサントラが届いたので、
週末に延々と聴きまくってました。
音楽はサム・メンデス監督のお気に入り、トーマス・ニューマン。

ワタクシはトーマス・ニューマンの音楽が好きなので、
アメリカ人の彼があの007の音楽担当に抜擢されたというのはかなり感慨深いものがありました。
アメリカ人作曲家の起用は『消されたライセンス』(89)のマイケル・ケイメン以来になりますかねー。

トーマス・ニューマンとアクション大作(しかも007シリーズ)というのがなかなか頭の中で結びつかなかったのですが、
なるほどこう来たかと。
『スカイフォール』の前にロマンティックSFサスペンスの『アジャストメント』(11)と、
スパイスリラーの『ペイド・バック』(11)の音楽を担当したのがいい準備運動になったようです。

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『マイ・ボディガード』のサントラにアルバム未収録曲を自前で補完してみたお話。

自分は以前『マイ・ボディガード』(04)の国内盤サントラに音楽解説を書かせて頂きました。もう時間(というか”年月”ですね…)が経ってしまったので廃盤&在庫切れですが、デジタル版では容易に手に入ります。

Man On Fire (Original Motion Picture Soundtrack) – amazon music

こちらはハリー・グレッグソン=ウィリアムズの劇伴を収録したスコアアルバムなので、本編で使われた既存の楽曲は未収録です。したがって完全版サントラ作りたければ劇中でどんな既製曲が使われたか自分で調べて、自前で補完しなければなりません。

とりあえず「このあたりの曲は押さえておきたい」という有名どころの曲をざっとご紹介したいと思います。

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ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島(音楽について)

narnia

『ナルニア』シリーズはこれまでハリー・グレッグソン=ウィリアムズが音楽を担当していましたが、監督がマイケル・アプテッドに交代した事により、音楽担当もアプテッドご贔屓のデヴィッド・アーノルドに代わりました。

アーノルドといえば、最近はすっかり「007映画の専属作曲家」という感じになりましたが、一連の007シリーズで聞かせている「オーケストラ+打ち込み」という作風とはうって変わって、今回の『アスラン王と魔法の島』では全編正統派のフルオケ・スコアを聞かせてくれています。アーノルドが活劇タッチの音楽を作曲するのは、三銃士をメイド・イン・香港チックなワイヤーアクションで撮った珍奇な映画『ヤングブラッド』(01)以来になると思われます。

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