最近買ったサントラ盤/『TENET テネット』『トレマーズ』『ビルとテッドの大冒険』スコア盤

11月下旬から今月にかけて、来年発売の某サントラ盤の音楽解説原稿執筆と映画音楽家さんへのインタビュー、BANGER!!!コラムの執筆と仕事が立て込んでおりました(いわゆる年末進行的なやつ)。

そんな中、混み合う時間を避けてスーパーに買い出しに行ったり、なるべく人がいない時間帯に郵便局とか銀行に行ったりしないといけないので、変なところで時間の制約が厳しい生活を余儀なくされております。。

で、多忙な合間を縫って最近買ったサントラ盤はこんな感じ。

■その1:『TENET テネット』

某ショップでオーダーしたら3回くらい発売日(お届け日)変更のメールが来て、「年内にサントラ盤は手に入るかしら?」と思ったのですが、「11月下旬→12月中旬→お届けが来年1月になるかも→やっぱり12月中にお届けできます」というお知らせの流れを経て、先週遂に『TENET テネット』(20)のサントラ盤が手元に届きました。
えらく待たされましたが、注文時よりも安い値段で手に入ったので良しとします。

音楽担当はハンス・ジマーではなくルドウィグ・ゴランソン。
今回もクリストファー・ノーラン映画らしい「メロディよりもテクスチュアで聴かせるスコア」になってます(ノーラン映画で一番スコアがメロディックだったのは、デヴィッド・ジュリアンの『インソムニア』(02)かな…)。
そうは言っても、ジマーの『インセプション』(10)や『ダンケルク』(17)とも異なるテイストのサウンドで、そのあたりの違いを楽しみながら聴くのがよろしいのではないかと。

TENET original motion picture soundtrack (amazon)

Tenet (Deluxe Edition) – TOWER RECORDS

『TENET』は劇場で観たかったのですが、大事を取って断念しました。
ワタクシ学生時代に映画館でインフルエンザをうつされて、1ヶ月半近くものすごく苦しんだというツラい経験があるので、ウイルスが猛威をふるっている時期に映画館に行きたくないんですよね。。

ま、映画本編はブルーレイ&DVDになった時にしっかり観ます。

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あの「20世紀フォックス映画 75周年記念盤」がDSDリマスタリングで再登場しましたの巻

20thcenturyfox

映画会社20世紀フォックスの75周年を記念して、2010年にVarese Sarabandeからリリースされた3枚組の企画盤、「20th Century FOX: 75 Years of Great Film Music」。
先日ランブリング・レコーズさんから国内盤がリリースされました。
75周年からさらに6年経っての国内盤リリースなので、ある意味80周年記念盤という感じでもありますね(正確には81周年ですが細かいことは気にしない)。

日本サントラレーベルの良心・ランブリング・レコーズさんですから、もちろん輸入盤にオビをつけただけの再発売なんてものではありません。
「サウンドトラック傑作選50」や「サウンドトラック名作選35」でおなじみになった、DSDリマスタリングによる音質向上を行っているのです。
ディスク3枚組で3,000円(+税)だから、1枚1,000円。
ディスク1枚に20曲前後収録しているので、1曲50円の計算になりますね。
しかもリマスター音源。なかなかのお得感ではないでしょうか。

…で、国内盤をリリースするからということで、先方からワタクシにライナーノーツの執筆依頼が来まして、僭越ながらあれやこれやと音楽紹介/作曲家紹介を書かせて頂きました。

 

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タレント吹き替えの是非を『アイス・エイジ』を観て考えてみたの巻

ice age

まぁ是非もなにもワタクシ外国映画のタレント吹き替えは否定派でして、
「報道陣を前に公開アフレコ」なんて話題を見たり聞いたりすると拒否反応が起こるのですが、
否定するからには理由を明確にしておこうと思ってあれこれ考えてみました。

やはり「声の演技がヘタだから」というのが第一の理由ですが、
それじゃあ無難な芝居をしていたらいいのかと言われたらやっぱり嫌なわけで。
先日そのへんの理由を真剣に考えてみた次第です。

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『フランケンウィニー』のサントラ盤について

frankenweenie

さて『フランケンウィニー』(12)の音楽についてなのですが、僕は今回サントラ盤のライナーノーツを担当させて頂いたため、ここでダニー・エルフマンの音楽についてこと細かに書いてしまうと、「ライナーノーツの意味ないじゃん!」という事になってしまうのです。

なので、補足的な事をサラッと書かせて頂く事にします。

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ヘザース / ベロニカの熱い日

数日前にeiga.comのゴシップ記事にぼーっと目を通していたら、

全てはウィノナ・ライダーの妄想?『ヘザース』(89)続編はなしと監督が明言

・・・という見出し(記事)が視界に飛び込んで参りました。

ま、映画のラストでJ.D.(クリスチャン・スレーター)は爆死しましたからね。続編を作るのは
無理だし、そもそも続編を作っちゃいけないタイプの映画だよなぁ、と思っていたので特に
驚きはしなかったのですが、マイケル・レーマン監督のコメントがちょっとイジワルな感じ。

「ウィノナが続編の話を持ち出してくるのはいつものことで、(脚本家の)ダンも僕もそれを
ジョークにしているぐらいなんだ」

・・・って、ネタにされてます。ウィノナさんカワイソすぎ(涙)。これじゃ映画の中のヘザースの
イジメと何ら変わらないなぁ。大体、レーマンだって最近ロクな映画撮ってないじゃないの。
数年前に奇行(=万引き疑惑)でキャリアにケチがついて以来、すっかり「ウィノナ=変人」
というレッテルを貼られてしまってますが、あんまりイジメちゃいけませんって。それにしても、
この調子だとウィノナさんの完全復活はまだまだ先になりそうだな・・・。

そんなワタクシは20年来のウィノナ・ライダーのファンでございます、ハイ。

ま、確かにこの方は昔から変わり者だったわけですが、80年代は「不思議ちゃん」系の
役を演じると抜群にキュートでした。『ヘザース』も80年代ファッションに身を包んだ
ウィノナさんはスーパー可愛かったし、自身の実体験をそのまま演技に転化させたような
「いじめられっ子」ベロニカ・ソーヤー役も最高にハマってました。日頃の恨み辛みを日記に
書き殴る描写とか、文系女子のダークな一面を垣間見た気がしました(笑)。

で、ベロニカに屈折した愛情(?)を抱くJ.D.役のクリスチャン・スレーターがまたいいんだな。
アナーキーで悪魔的な魅力を持つ危険な男を好演してます。

コイツがヘザースの片割れとか、ベロニカに恥をかかせたフットボール部のいけ好かない
上級生をブッ殺しちゃあ自殺に偽装するんですが、どんなにイヤな奴でも自殺(ホントは違う
わけですが)した途端、学校中が彼らを聖人君子のように扱い始める、というくだりが何とも
風刺が効いております。偽善をあざ笑う究極のブラックユーモア。これがなかなか的を射ている
から、この映画は面白い。「笑える」のではなく「興味深い」という意味での面白さなのですが。

ま、ブラックなテーマはさておき、ウィノナ・ライダーが抜群にカワイイので、それだけでも
必見の映画でしょう。

そういえば、その後スレーターは『ベリー・バッド・ウェディング』(98)で「もしもJ.D.が大人に
なったら?」みたいなキャラを演じてましたが、カルト的人気を得た『ヘザース』と違って、
こっちの映画は酷評されましたなぁ。ま、叩かれるのも無理もない内容だったわけですが。

さて『ヘザース』の音楽は、デヴィッド・ニューマンが担当しております。トーマス・ニューマンの
1歳違いの兄・・・なのですが、アカデミー賞常連の弟に比べると、どうにも作品に恵まれない
気の毒な人です。『愛に翼を』(91)とか『ブロークダウン・パレス』(99)とか、佳作も結構多いん
だけどなぁ。

『ヘザース』では、いかにも「80年代の音」といった感じのシンセ・スコアを鳴らしています。
J.D.のためのライトモチーフでハーモニカを使っているのがポイントでしょうか。チープな
シンセ・サウンドが結構聴いていてクセになり、個人的には好きな一枚です。

確か中古CD屋で偶然見つけて580円くらいで買った記憶がありますが、いい買い物でした。
(最近見かけませんしね)