繰り返されるエレキギターのフレーズに男泣き必至。静かに熱い『オンリー・ザ・ブレイブ』の音楽

先日『オンリー・ザ・ブレイブ』(17)を観てきました。

今回は映画を観るより先にサントラを聴いておりまして、本作のジョセフ・トラパニーズの音楽は同じ消防士のドラマでも、ハンス・ジマーの『バックドラフト』(91)とはかなりタイプの異なるサウンドで、その音楽を聴いた印象から言っても「この映画、ハッピーエンドの英雄鐔ではなさそうだな」と思ったのですが、実際に本編を観てみたら当方の想像以上に悲しい結末でした。

さてそのジョセフ・トラパニーズという作曲家さん、ジョセフ・コシンスキー監督作品の常連作曲家でもあります。しかしながら『トロン:レガシー』(10)はダフト・パンクとの共同作曲とストリングス・アレンジ、『オブリビオン』(13)ではM83(アンソニー・ゴンザレス)との共同作曲とストリングス・アレンジという感じで、トラパニーズの仕事は(スコア製作への貢献度に比べると)二大エレクトロニカ・アーティストの名前の陰に隠れがちだった印象があります。

別な監督との仕事にしても、『ザ・レイド』(11)はリンキン・パークのマイク・シノダとの共同作曲だったし、『グレイテスト・ショーマン』(17)はミュージカル映画なので、どうしてもリスナーの関心は挿入歌に行ってしまってよほどのサントラマニアでなければスコアには関心を持たなかっただろうし、そのスコアもジョン・デブニーとの共同作曲だった。
『ストレイト・アウタ・コンプトン』(15)も映画の性質上ギャングスタ・ラップのほうが目立つので、やっぱりトラパニーズのスコアはサントラマニア以外にはあまり注目されなかった…と思います(ダウンロード版でスコアアルバムが出てます)。

 …とこのような状況が続いておりましたが、今回の『オンリー・ザ・ブレイブ』はトラパニーズ単独の仕事が存分に楽しめて、優れたアレンジャーでありメロディーメイカーでもある彼の才能を実感できるサントラ盤に仕上がっております。

Only The Brave (Original Motion Picture Soundtrack) – amazon music

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