坂本龍一 『侍女の物語』のサントラ盤を聴いて気がついたこと。

前回のブログの続きです。

当方が所有している『愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像』(98)と『侍女の物語』(90)のサントラ盤について、ひとつにまとめて話を書こうと思ったものの、『愛の悪魔』のお話が長くなったので二回に分けました。

今回は『侍女の物語』のサントラについて書かせて頂きます。

自分の手元にあるのは1枚目の写真のアルバムなのですが、このジャケットは輸入盤のものです。

しかしバックインレイには日本語が書かれておりまして、盤面を見ると発売元もJapan Records(徳間ジャパン/徳間コミュニケーションズ)となっておりました。ちなみに国内盤サントラのジャケ写はこれ(↓)だったようです。

「なんで自分の持っているサントラは輸入盤と国内盤がごっちゃになっているんだ?」と本気で悩みました。このサントラは中古CD店で買ったので、店頭に並んでいた時点で既に変な製品だったのだろうかとも思いました。
気になって気になってネットで情報を漁り、当時(30年近く前)のことを必死に思い出した結果、このいびつな仕様の理由が分かりました。

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坂本龍一 『愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像』のサントラ盤を聴いて思い出したこと。

先月下旬、X(旧Twitter)で坂本龍一の名前がトレンドに上がっている期間がありました。
「なぜこの時期に?」と思いましたが、どうやら教授が監修した公式楽譜集『オフィシャル・スコアブック 坂本龍一 /04』『オフィシャル・スコアブック 坂本龍一 /05』が復刻・発売になるというニュースの関係だったようです。

オフィシャル・スコアブック 坂本龍一 /04 復刻版 – TOWER RECORDS
オフィシャル・スコアブック 坂本龍一 /05 復刻版 – TOWER RECORDS

せっかく名前をSNSでお見かけしたことだし、今日は教授のサントラを聴いて過ごそうかな…と思い立ち、近頃あまり聴く機会のなかった『愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像』(98)と『侍女の物語』(90)のサントラを聴くことにしました。

曲を聴きながらそれぞれジャケットを眺めていると、「そういえば…」と気がついたこと、思い出したことがいろいろと出てまいりました。せっかくなのでブログのネタにさせて頂きます

LOVE IS THE DEVIL – Original Soundtrack Recording – amazon
LOVE IS THE DEVIL Original Soundtrack Recording – TOWER RECORDS

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映画『四月の魚』のサウンドトラックアルバムに胸をときめかせたあの頃のこと。

4月1日にWOWOWで『四月の魚』(86)の放送があるということで、先月末は久々にサントラ盤を聴いて過ごしました。

四月の魚 サウンドトラック +2(amazon)
四月の魚 サウンドトラック +2(TOWER RECORDS)

映画が公開になった1986年と言えば、自分はまだ小学生。
YMOリスナーとして幸宏さん派だった母に連れられて、散開ライブや「WILD & MOODY」のライブなどに行ったりはしていたものの、この時の自分は「映画館で映画を観る」という習慣がほとんどありませんでした(アニメ映画をたまに観るぐらい)。洋画はもっぱらテレビの「日曜洋画劇場」や「金曜ロードショー」などで観る感じでした。
そんなわけで、母は自分が学校に行っている間にささっと『四月の魚』を観てきたのでした。

学校から帰って来て母に「(映画)面白かった?」と尋ねたら、「幸宏さんはかわいかったけど、観ていてちょっと恥ずかしかった」と答えていたのをよく憶えています。「なんで?」と聞いたら「演技がヘタだった」という実にストレートな感想が返ってきました。
その時は「ふーん」という感じでしたが、後年(高校生の頃だったと思う)映画を観たら納得しました。

…うん、確かに観ていてちょっとツラインダ…。

ああ、幸宏さんごめんなさい…。

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『戦場のメリークリスマス』のサントラ盤を初めて聴いたときのことを思い出してみた。

NHK BSシネマで3月28日に『戦場のメリークリスマス』(83)の放送があるので、先週末はこの映画(と音楽)について、昔のことをいろいろ思い出して過ごしました。

戦場のメリークリスマス (30th Anniversary Edition) – 坂本龍一 (amazon)
戦場のメリークリスマス (30th anniversary edition) – 坂本龍一 (TOWER RECORDS)

友人間で『戦メリ』の話題になったときに自分がいつも言っているのが、「幸宏さんが教授をオシャレさんに仕立てなければ、あの映画に出ることもなかったのではないか?」ということ。

幸宏さんが教授の『千のナイフ』のジャケット撮影のためにファッションコーディネートをしてあげたから、「キザな伊達男の鬼才、坂本龍一」というキャラが確立したのであって、教授が「ジーンズの下を切りっぱなしでゴム草履、長髪に髭面」という風体のままでいたら、あそこまで洗練されたルックスにはならなかったのではないか…と幸宏派の自分は思うのです。

男性版『マイ・フェア・レディ』(64)的な感じでしょうか。ちょっと違うか。

千のナイフ(SACDハイブリッド)- 坂本龍一(amazon)
千のナイフ(SACDハイブリッド) – 坂本龍一 (TOWER RECORDS)

閑話休題。

自分が『戦メリ』のサントラ盤を聴いたのは小学生の頃でした。
東京から仙台の実家に帰ったとき、3つ年上のイトコ(教授派)が家に遊びに来て聴かせてくれた。
レコードプレーヤーのある応接間ではなく、自分の部屋で聴いた記憶があるから、たぶんカセットテープだったのでしょう。
イトコがカセットでサントラを買ったのか、レコードをカセットテープにダビングして持ってきたのかはもう憶えていませんが。

だから人生で初めて聴いた映画のサントラということになるのかな。
そして初めて聴いたミニマルミュージックでもある。
この映画の劇伴は反復的な側面が強いサウンドなので、広義のミニマルと言えるのではないかと。
メインテーマもいいけど、”The Seed And The Sower”の不思議な高揚感のあるフレーズも素晴らしい。

当時の自分はまだ幼く、音楽知識も乏しかったので、メインテーマを聴きながら「この音は何を弾いて出してるんだろうね」などとイトコに尋ねたものです。

イトコ:「やっぱシンセじゃない?」
ぼく:「この”カーン!”っていうのも?」(←いわゆる「合いの手で入る竹の音のようなパーカッション」のことです)
イトコ:「なにか叩いてサンプリングしてるんじゃないの?『テクノデリック』みたいに」
ぼく:「そっかぁ」

イトコとこういう会話をしたのをいまでもハッキリ憶えています。

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高橋幸宏さんのゲーム音楽が聴きたくて…『ノイギーア 海と風の鼓動』のサントラ盤を購入

そういえば幸宏さんのEMI時代のアルバムのリマスター盤が出るのはいつだったかな…とショップのサイトを閲覧していたところ、なんと今年の10月にスーパーファミコン用ソフト『ノイギーア 海と風の鼓動』(93)のサントラ盤が出ていたことに気づきました。

こんなマイナーなソフトのサントラが2020年代になって発売されるとは…(嬉しい)。

「ちょっと意外な昔のゲームのサントラがいまになって突然出たりするけど、さすがにこれは出ないだろうな」と思っていた作品でした。当時テレビにプラグを繋いで幸宏さんのゲーム内音楽をテープに録音してたっけ…。

オビには「発売30周年記念盤」と銘打たれておりましたが、それ以上に幸宏さんの追悼盤としての意味合いが強いのでしょうね。

『ノイギーア 〜海と風の鼓動〜』オリジナル・サウンドトラック(amazon)
『ノイギーア 〜海と風の鼓動〜』オリジナル・サウンドトラック(TOWER RECORDS)

『ノイギーア』は幸宏さんが音楽を担当していると知って、ヨドバシカメラかどこかでわざわざ予約して買った記憶があります。
「売り切れると困るから」というより、「マイナーなゲームだから予約でもしないと仕入れてくれないのではないか」という不安があったからです。定価(9,800円)で買ったのをいまでも憶えています。

ハッキリ言ってゲームとしての評価は当時も微妙でした。
同じアクションRPGの『ゼルダの伝説』や『聖剣伝説』に比べるとボリューム不足という印象は拭えず、クリア時間によって評価が変わるエンディング後のプレイヤーランクに至っては、「やりこみ要素が重要なアクションRPGでタイムアタックやってどうするの?」と当時から言われていた。

自分は幸宏さんのゲーム音楽が聴ければそれでよかったので、世間のそんな評価は正直どうでもよかったのでした。

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