『フォードvsフェラーリ』は、スコアアルバムとコンピレーションアルバムの両方が欲しくなる音楽でした。

先週『フォードvsフェラーリ』(19)を観てきました。
ワタクシはマルコ・ベルトラミの音楽が一番楽しみだったのですが、今回は思いっきりギターロックを鳴らしていて、映画本編に負けないくらい面白い音楽に仕上がっていました。

で、ブログで何か書こうと思っていたのですが、どうせなら1月のBANGER!!!コラムでスコアの聴きどころをしっかりご紹介しようと思い、ブログ用にストックしていたネタを全てBANGER!!!のコラムで使うことにしました。

多彩なギターサウンドとエンジン音が融合『フォードvsフェラーリ』のパワフルな音楽 | BANGER!!!
https://www.banger.jp/movie/26569/

マルコさんのスコアの聴きどころについては上記BANGER!!!コラムをご覧頂くとして、ここではその補足的なネタを書かせて頂きたいと思います。

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ポリスの6枚組CDボックス「Every Move You Make: The Studio Recordings」を買いました。

10日ほど前、amazonで予約注文していたポリスの6枚組CDボックス「エヴリ・ムーヴ・ユー・メイク:ザ・スタジオ・レコーディングス」が届きました。

ポリスのスタジオアルバム5枚と、 シングルB面曲を集めた「フレキシブル・ストラテジーズ」の計6枚。 いずれも音はリマスター済み。

ポリスのアルバムは全部持ってるし、レア・トラックを熱心に集めているタイプでもないので、正直「ものすごく買わなきゃ!」というボックスセットでもなかったのでした。

しかし先頃の来日公演で、台風トラブルにも関わらず仙台で振替公演のライブを実施してくれたスティング様に敬意を表して、ボックスセットを買わせて頂くべきなのではないかと思いまして。
で、国内盤は4,400円で輸入盤はさらにお安くて3,000円弱くらいだったのですが、BANGER!!!のスティング映画主題歌コラム用にアルバムジャケットの掲載許可を下さったユニバーサルミュージックさんへの感謝の意も込めて、 今回は国内盤をチョイスさせて頂きました。

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BANGER!!!に寄稿したスティング映画主題歌&挿入歌コラムの補足的なお話。

先日、BANGER!!!にスティングの映画音楽コラムを書きました。

『卒業白書』『レオン』……スティングの映画主題歌・挿入歌を振り返る 
10月の来日公演が迫っているぞ!!| BANGER!!!
https://www.banger.jp/movie/18752/

ワタクシはブライアン・フェリーと同じくらいスティングが大好きなので、
「映画に提供した曲について何か書きたい」と常々思っておりました。
そしたらちょうど10月に来日公演があるということで、
このタイミングに合わせて長年温めていたネタを書いちゃおうかと思い立った次第です。

以前のブライアン・フェリーの映画挿入歌コラムは、
諸般の事情で来日公演”後”に原稿を書いたのですが、
今回は来日公演のプロモーションになるように、
公演”前”に拙稿が掲載されるようにしようと急ピッチで原稿を書きました。

で、まぁ当初から予想はしていたのですが、
指定された文字数でスティングの膨大な映画主題歌・挿入歌を全部紹介するのはさすがに難しい。
俳優としてのキャリアにも触れたかったのだけれども、そうなると文字数がますます足りない。。

ひとまずBANGER!!!のコラムでは比較的知名度の高い作品と、
近年語られる機会の少ない作品をざっくりご紹介してみました。
超有名作品ばかりご紹介しても「そんなの言われなくても知ってるよ」となってしまうし、
マイナーな作品ばかりご紹介しても「全然知らない。もっと有名なのないの?」と言われてしまうので、このあたりのバランス配分が難しい。

…というわけで、諸般の事情で書きたくても書けなかったスティングの楽曲提供作品については、今回のブログで補完させて頂きたいと思います。

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ラルフとヴァネロペのテーマがより深みを増した『シュガー・ラッシュ:オンライン』の音楽

ウォルト・ディズニー・ジャパン様とユニバーサルミュージック様からのご依頼で、
『シュガー・ラッシュ:オンライン』(18)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂きました。
スコア作曲は前作に引き続きヘンリー・ジャックマン。

あとサントラ盤にはイマジン・ドラゴンズのエンドソング”Zero”と、
劇中のミュージカルソング”A Place Called Slaughter Race”、
ジュリア・マイケルズが歌う第2エンドソング”In This Place”、
青山テルマが歌う日本盤ボーナストラック2曲が入ってます。
合計35曲。

今回の仕事はいつも以上にハードでした。。

 

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美しい音楽が悲痛さと残酷さを際立たせる、映画『追想』のオリジナルスコアとクラシック音楽

先日、映画『追想』(17)を観てきました。

ワタクシ以前『つぐない』(07)のサントラ盤にライナーノーツを書かせて頂いたこともありまして、
イアン・マキューアンの映画化作品に興味があったし、
ダン・ジョーンズの音楽にも興味があったので、
せっかくだから劇場で映像と音楽を楽しもうと思ったわけです。

いやそれにしてもキツい映画でした…。

ドミニク・クック監督の舞台劇を思わせる演出も見事だし、
シアーシャ・ローナンとビリー・ハウルの演技にも見入ってしまう。
クラシック音楽とロックとダン・ジョーンズのスコアの使い方もお見事でした。

「夢にまで見た愛する人との初夜の瞬間を迎えたのに、思うようにコトが進まず焦るエドワード」というシチュエーションは悲喜劇にも似たテイストさえ感じさせたのですが、
『蚤取り侍』(18)で寺島しのぶさんが発した「このヘタクソが!」にも通じる強烈なひと言を新妻フローレンスから発せられた瞬間、一気にキッツイ物語になっていきました…。
男としての存在意義をを真っ向から否定された残酷な言葉でしたねアレは…。

悪い意味で人生が一変する瞬間とは、
こうも突然に、しかも呆気なく訪れるものなのか…などと、
映画を観終わって帰宅する途中で考え込んでしまったワタクシでありました。

さて肝心の音楽についてですが、
『追想(On Chesil Beach)』のサントラは輸入盤のみのリリース。
しかしパンフレットに作曲家とバイオリン奏者のエスター・ユーのインタビュー、
音楽についても言及しているドミニク・クック監督のインタビューが載っているので、
国内盤の差し込み解説書くらい充実した音楽の情報を読むことができます。

音楽コラムも充実のパンフレットでした。

 

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