『地獄の7人』のQuartet Records盤サントラを購入した話

先週、某ショップで予約注文していた『地獄の7人』(83)のサントラ盤が届きました。
スコア作曲はジェームズ・ホーナー。

10年くらい前にIntradaからサントラが発売されましたが、当時の自分はこの映画を観る機会に恵まれなかったので購入をスルーしておりました。その後Intrada盤は割とすぐに完売になってしまったらしいです。

数年前にNHK BSシネマで放送があったときにやっと本編を鑑賞できたので、それじゃあこのタイミングでQuartet Recordsから再発売になったサントラ盤も買おうかなと思ったのでした。

Uncommon Valor<限定盤> – TOWER RECORDS

ちなみに今回のQuartet盤はボーナストラックが4曲追加され、収録時間がIntrada盤より12分ほど増えていました。収録時間は64分くらい。レイ・ケネディの歌曲”Brothers In The Night”はQuartet盤にもちゃんと収録しています。

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アルバムのテーマは「ラーメン離婚」だった!? 1996年当時の幸宏さんのインタビュー記事と共に「Portrait with No Name」を聴く。

昨年の暮れからコツコツ買い揃えていっている、高橋幸宏さん東芝EMI在籍時代のアルバムのリマスタリングSHM-CD盤。先日「Portrait with No Name」を買いました。1990年代当時好きでよく聴いたアルバムです。

Portrait with No Name (SHM-CD限定盤) – amazon
Portrait with No Name<SHM-CD 限定盤> – TOWER RECORDS

ご本人は2006年のレコード・コレクターズのインタビューで「自分の中ではあっさりし過ぎている印象があって」と仰っていましたが、個人的にはCMタイアップ曲が3曲あったせいか歌謡曲テイスト強めだった「Mr. YT」より、”ドラムンベース邂逅編”とでも言うべき「Portrait with No Name」のほうが好きでした。

連休中実家に帰ったとき、自分の部屋で当時新星堂が発行していたフリーペーパー「pause」の幸宏さんのインタビュー記事のスクラップを見つけまして、懐かしいなぁ、そういえばこんなことを仰ってたなぁと思いながら読んでいました。

そのフリーペーパー誌上で幸宏さんご本人が全曲解説をしていらっしゃったので、大雑把にまとめてご紹介したいと思います。

■アルバムの隠れテーマは「ラーメン離婚」だった!?

シングル曲「名もなき恋愛」の歌詞の打ち合わせで、鈴木慶一が「最近”ラーメン離婚”ってのが多いらしいよ」という話を切り出したのだとか。
「ラーメン離婚ってなに?」…という感じですが、要は「夫が夜遅くに帰って来て、妻に”ラーメン作ってくれる?”と頼むと、妻はただ黙ってラーメンを作ってくれる。そして次の日の朝に“私はあなたのラーメンを作るために結婚したんじゃありません”と書き置きを残して出て行く」というシチュエーションのことらしい。

で、夫が食べたがっているラーメンを作ってあげるという行為が「ラーメンを作るために結婚したんじゃない」という問題にすり替わるのはなぜだろう? という話になって、「それはつまり、二人の間に”何もなければいい”ということなんだろうか。期待も、形も、名前も…」という結論になって、「Portrait with No Name」というアルバムタイトルが生まれることになったのだそうです。
「Nameless」みたいなタイトルはストレート過ぎてカッコ悪いので、アメリカの”A Horse with No Name”からアイデアを頂いたと仰っていました。

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最近買ったサントラ盤:『トップガン』CD2枚組デラックス・エディション

La-La Land Recordsから5,000枚限定でリリースになった『トップガン』(86)デラックス・エディションのサントラ盤を買いました。

当初3月発売予定だったのが4月に延期になって、その後予約注文したショップから「5月の発送を予定しています」という連絡が来たのですが、4月20日過ぎに発送の連絡が来て、ありがたいことにゴールデンウィーク前に製品を手に入れることができました。
どうも早い段階で予約注文していた人は4月発送分に間に合ったということらしい。やはり限定盤サントラは早めの予約注文が吉ですね…。

トップガン【輸入盤国内品番】リマスター&2枚組<限定5000枚> – amazon
トップガン【輸入盤国内品番】リマスター&2枚組<限定5000枚> – TOWER RECORDS

近年の『ミッション:インポッシブル』シリーズのサントラ盤もそうですが、どうもトム・クルーズ主演作のサントラリリースは発売日が遅れることが多いような気がします。
たぶんジャケットのアートワーク(=写真)に入念なチェックが入って、スケジュールに遅れが生じてしまうのだと思います。自分で映画制作会社を持っている俳優の主演作だと、こういうケースが多い印象。まあ肖像権とかいろいろデリケートな問題があるのでしょう。

さてCDの収録内容はと申しますと、Disc 1にファン待望のハロルド・フォルターメイヤーの劇伴を20曲収録。
そしてボーナストラックでメインテーマのデモ音源を3パターン収録して、プレイタイムは合計77分58秒。
Disc 2はおなじみのソングコンピレーション盤ですが、1999年リリースの拡張盤(通常盤に4曲追加収録したもの)に劇伴の”Dog Fight #3″と歌モノの”Radar Radio”、本編未使用の劇伴を3曲追加した内容となっておりまして、収録時間は69分45秒。

トータル43曲、収録時間2時間27分43秒の大ボリュームでした。リマスターされているらしく音質も極めて良好。ああ、フォルターメイヤーのスコアをオーディオで目一杯聴ける日をどんなに待ち焦がれたことか…。

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最近買ったサントラ盤 :『エアフォース・ワン』と『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』2枚組デラックス・エディション

先日twitter(現X)でちょろっと書いたとおり、『エアフォース・ワン』(97)のCD2枚組デラックス・エディション版サントラを買いました。
5年くらい前に買いそびれて、どこのショップを探しても在庫なしという状況になってしまい、「あのとき買っておけばよかったな…」とずっと後悔していたのですが、灯台下暗しというか、意外なところで簡単に買えてしまいました。

…というわけで、本日はそのへんのお話でも書かせて頂こうかなと思います。

きっかけはダニー・エルフマンの『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』(08) CD2枚組デラックス・エディション版サントラでした。こちらのアルバムを買おうと思ったら、日本のCDショップだとお値段高めになっていました。たとえばタワーレコードオンラインだとこんな感じ。

Hellboy 2: The Golden Army (Deluxe Edition) – TOWER RECORDS

Varèse Sarabandeの通販サイトだといくらぐらいで売ってるのかな?」と調べてみると20ドル。『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』(19)のデラックス・エディション(25ドル)とセットで買うと6ドルくらい割引になるバンドル版が売っていたりしたのです。ちなみにデジタル版は下記の通り。

Hellboy II (Original Motion Picture Soundtrack) (The Deluxe Edition) – amazon music

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2001年当時のことを思い出しながら、久々に『メメント』のサントラ盤をじっくり聴いてみた。

『フォロウィング』(98)のリマスター版上映に続いて、今月は『メメント』(00)のリバイバル上映企画もあるそうで、いやはやクリストファー・ノーラン監督の影響力はすごいです。当方『オッペンハイマー』(23)は鑑賞を見送っておりますが…。

『メメント』は当時WOWOWで観ていた映画情報番組「Hollywood Express」で内容を知って、全米興行成績トップ10の圏内にも長い間ランクインしていた記憶があります。確か8位前後に4週くらいランクインしていたような…。インディペンデント映画でこの興行成績は大したものです。大作映画と違って公開劇場数が少ないですからね。
「瞬間的に興行成績ナンバー1に輝いた映画よりも、トップ10圏内に長く留まっている映画のほうが面白い」という自分が信じている法則のようなものがありまして、「だとするとこれは相当面白い映画なんじゃないか?」と思ったのを覚えています。

で、確かサントラ盤は映画本編を劇場で観る前に買ったと思います。
自分はハンス・ジマーやジェリー・ゴールドスミスのサントラもいろいろ買っていますが、新進気鋭の作曲家や、まだ無名の作曲家のサントラも学生時代から好んで買っていました。だからCDショップで『メメント』のサントラ盤を見かけた時も「おっ!」と手が伸びたものです。

しかしそのときの自分は購入を躊躇してしまいました。
なぜならサントラのジャケットに「Music for and inspired by the film」と書いてあったからです。「ひょっとしてこれインスパイア盤なのか?」と思ったのですね。

いまはこういうサントラが少なくなりましたが、インスパイア盤というのは「映画の中では使われていないけど、映画のテーマにあった曲を集めました」的な商魂逞しいコンピレーション盤で、ほぼイメージアルバム的なアイテムです。一番有名なのが『スピード』(94)の歌ものコンピレーション・アルバムではないでしょうか。あのサントラ盤に泣かされたリスナーも多いと聞きます。
だから『メメント』のサントラも「映画で使っていない曲ばかり収録しているのでは? 」と疑心暗鬼になったわけです。”Music from the film”ではなく”Music for the film”という表記でしたし。

で、若き日のワタクシはジャケット裏面を見て収録曲を確認しました。

ロ二・サイズの”Snapshot”やレディオヘッドの”Treefingers”、ビョークの”All is Full of Love”、モービーの”First Cool Hive”、ポール・オークンフォールドの”Amnesia”など、「低予算映画でこの曲は使えないだろう(映画の中で使えそうな場面もなさそう)」という曲がズラリと並んでいる。
これ買うのやめようかな…と思ったものの、デヴィッド・ジュリアンのスコアが11曲収録されていることを確認したうえで、購入を決意したのでした。劇中で使っていない曲は飛ばして聴けばいいやと。

結論から申し上げれば、買ってよかったアルバムでした。

MEMENTO Music for and inspired by the film – amazon

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